中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は約1.1万人…大半が上海市、近日は減少傾向=4/27

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月28日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月27日の中国本土における新規市中感染確認者数は1494人(前日から324人減)だったとのこと。内訳は、上海市1292人、吉林省56人、北京市48人、浙江省46人、黒竜江省11人、江西省10人、内モンゴル自治区9人、山東省8人、河南省4人、河北省2人、江蘇省2人、遼寧省1人、湖南省1人、重慶市1人、四川省1人、陝西省1人、青海省1人。このうち上海市の858人、浙江省の44人、吉林省の27人、山東省の2人、遼寧省の1人、黒竜江省の1人、青海省の1人の計934人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは194日連続、4桁となるのは47日連続。

 市中の無症状感染例は9791人(前日から2613人減)。内訳は、上海市9330人、吉林省98人、山東省84人、江西省79人、江蘇省72人、遼寧省55人、浙江省20人、安徽省15人、河南省13人、河北省9人、黒竜江省7人、北京市2人、新疆ウイグル自治区2人、山西省1人、福建省1人、四川省1人、貴州省1人、雲南省1人。

 無症状を含む新規感染者が5桁となるのは26日連続で、3日連続2万人を下回った(1万1285人)。このうち上海市の報告数が1万0622人に上り、全体の94.1%を占めた。

 4月27日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2万5506人(うち輸入性が183人)で、重症者は399人(輸入性はゼロ)。無症状の患者20万8195人(輸入性582人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。現時点でもゼロコロナ政策を堅持する考えを重ねて強調しており、何らかの封鎖措置が講じられている地域が多く存在する。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染例の出現が続いているが、特に深刻なのがすでに累計感染者数が50万人超に達した上海市。同市では3月下旬から事実上のロックダウン(都市封鎖)状態が続き、市民は長期にわたって自宅待機を余儀なくされているが、本格的なロックダウンの解除時期も見通せない状況。同市における新規感染確認数は近日緩やかな減少が続き、PCR検査陽性率も下落傾向とのことだが、依然として単日1万人以上と高止まりしている。また、27日まで11日連続で複数の死亡例も報告されている。同市では27日から4日間にわたってPCR検査と迅速抗原検査を組み合わせた検査をブロック単位で実施し、検査結果によって各ブロックのリスクレベルを3段階に分類するという。

 近日は北京市でも感染例の出現が相次いでおり、複数の区で全員PCR検査が実施されている状況。感染例は朝陽区に集中しており、一部の学校でクラスターが発生したとのこと。同市では各種防疫措置の強化が矢継ぎ早に進められている。

 香港・マカオと陸で接する広東省でも、今年に入って以降、広州市、深セン市、東莞市、珠海市、中山市などで断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ状況は落ち着いており、4月22日までに省内全域が低リスク地域に復帰した。ただし、広州白雲国際空港の職員に対する定常PCR検査で異常が出現したことが明らかとなり、28日から同空港における防疫措置が強化されたほか、広州地下鉄3号線の機場南駅がクローズ、多くのバス路線が空港への乗り入れを見合わせるとのこと。白雲区と花都区では、28日に全員PCR検査が実施されることも発表された。

 マカオ特別行政区では4月27日まで199日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月から3月頭にかけて感染確認数の急増があり、第5波開始以来、4月27日までの累計は約119.0万人(無症状含む)、死亡者数は9069人に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近では27日まで4日連続500人以下を維持。27日単日では430人(輸入性15人含む)。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。

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