香港の新型コロナ新規感染者数430人、4日連続500人以下…俳優ケネス・ツァンさんが隔離検疫ホテルで死亡=4/27

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな下落傾向を維持している。

 香港衛生当局が4月27日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から83人増の430人(輸入性15人含む)とのこと。内訳はPCR検査経由が222人、迅速抗原検査経由が208人。2日ぶりにリバウンドとなったが、4日連続で500人以下を維持した。第5波開始以来の累計感染者数は119万0437人。

 新たに医管局から報告された死亡者数は8人で、第5波開始以来の累計死亡者数は9069人に。

 香港では、イースター連休明けの4月19日から小学校の対面授業が再開(毎朝登校前に迅速抗原検査を実施し、結果が陰性の場合に限り登校できるルール)、21日からはソーシャルディスタンス措置が一部緩和(バーを除く飲食店の夕食時間帯の営業解禁、同卓制限の緩和、映画館・テーマパーク等の再開、集団制限措置の緩和ほか)となった。

 当局は、感染確認数がリバウンドしたことについて、小学校の授業再開、ソーシャルディスタンス措置の緩和、在宅勤務を解除する企業が多くなったことなどで市中の人流が増えたためとし、目下の数字は事前予測の範囲内であり、リバウンドの程度を測るには今後しばらく経過観察が必要との見方を示した。

 香港の4月26日午後8時時点のワクチン接種率は93.1%(1回目の接種完了)、87.4%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は66.4%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。26日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は2万0553回で、7日移動平均は2万2567回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(83.6%)と80歳以上(62.4%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。当局は、4月末までに高齢者の接種率9割を達成することを目標として掲げ、訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策を講じている。

 このほか、複数の現地メディアが27日午後、香港の著名俳優ケネス・ツァンさんが隔離検疫ホテルの客室で死亡したと報じた。報道を総合すると、ツァンさんは26日に単独でシンガポールから香港へ到着した後、九龍・尖沙咀にある隔離検疫用ホテルに滞在。政府衛生署の職員が27日午前の巡回時に客室を訪問したところ応答がなかったため、ホテルスタッフがドアを開けたところ、室内にツァンさんが倒れており、通報を受けて駆けつけた警察官によって、すでに死亡していたことが確認されたとのこと。享年87歳。なお、26日に受検した迅速抗原検査の結果は陰性だったとのこと。ツァンさんは約70年にわたって俳優として活躍し、数々の映画やドラマに出演。また、日本の白髪染めブランド「ビゲン」の香港市場向けテレビコマーシャルにも起用されており、現在まで40年以上前に撮影されたというツァンさんの映像が使われていることで知られる。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ政府統計・センサス局は10月14日、今年第3四半期(2024年7~9月)の観光物価指数が前…
  2.  ゴルフイベント「SJMマカオオープン2024」が今年(2024年)10月10〜13日にかけてマカ…
  3.  10月13日、中葡綜合體展覧館(中国・ポルトガル語圏諸国商業貿易協力サービスプラットフォームコン…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオ政府財政局が10月10日に公表した最新の財政収支資料によれば、今年(2024年)1〜9月の…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年10月号
(vol.136)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun