中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は約1.5万人…上海市が約96%占める、北京市の再流行は累計200人規模に=4/28

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月29日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月28日の中国本土における新規市中感染確認者数は5646人(前日から4152人増)だったとのこと。内訳は、上海市5487人、北京市47人、吉林省42人、浙江省31人、山東省7人、広東省7人、黒竜江省4人、江西省4人、内モンゴル自治区3人、江蘇省3人、四川省3人、河南省2人、遼寧省1人、福建省1人、湖南省1人、広西チワン族自治区1人、重慶市1人、雲南省1人。このうち上海市の5062人、吉林省の31人、浙江省の28人、遼寧省の1人、山東省の1人、河南省の1人、雲南省の1人の計5125人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは195日連続、4桁となるのは48日連続。

 市中の無症状感染例は9942人(前日から151人増)。内訳は、上海市9545人、遼寧省91人、江西省76人、江蘇省46人、吉林省45人、山東省38人、安徽省23人、浙江省20人、新疆ウイグル自治区18人、湖北省7人、広東省7人、黒竜江省6人、河南省5人、河北省4人、雲南省3人、北京市2人、四川省2人、広西チワン族自治区1人、重慶市1人、寧夏回族自治区区1人。

 無症状を含む新規感染者が5桁となるのは27日連続で、4日連続2万人を下回った(1万5588人)。このうち上海市の報告数が1万5032人に上り、全体の96.4%を占めた。

 4月28日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2万8317人(うち輸入性が182人)で、重症者は417人(輸入性はゼロ)。無症状の患者19万7213人(輸入性601人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。現時点でもゼロコロナ政策を堅持する考えを重ねて強調しており、何らかの封鎖措置が講じられている地域が多く存在する。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染例の出現が続いているが、特に深刻なのがすでに累計感染者数が50万人超に達した上海市。同市では3月下旬から事実上のロックダウン(都市封鎖)状態が続き、市民は長期にわたって自宅待機を余儀なくされているが、本格的なロックダウンの解除時期も見通せない状況。同市における新規感染確認数は依然として高止まりが続く。また、28日まで12日連続で複数の死亡例も報告されている。

 近日は北京市でも朝陽区を中心に感染例の出現が相次いでおり、複数の区で全員PCR検査が実施されている状況。今回の再流行における感染者の累計は約200人に。このうち約半数が食事での会合をきっかけに感染したとみられることから、市内の一部では飲食店のイートイン営業が停止とされるなど、各種防疫措置の強化が矢継ぎ早に進められている。

 香港・マカオと陸で接する広東省でも、今年に入って以降、広州市、深セン市、東莞市、珠海市、中山市などで断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ状況は落ち着いており、4月22日までに省内全域が低リスク地域に復帰した。ただし、近日は広州白雲国際空港の職員及びその同住者を中心とした新たな感染例が相次ぎ出現している。

 マカオ特別行政区では4月28日まで200日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月から3月頭にかけて感染確認数の急増があり、第5波開始以来、4月28日までの累計は約119.1万人(無症状含む)、死亡者数は9074人に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近では28日まで5日連続500人以下を維持。28日単日では413人(輸入性24人含む)。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  澳門海關(マカオ税関)は4月28日、各イミグレーション施設で検査体制の強化を図り、違法な運搬活動…
  2.  マカオ政府統計・センサス局が4月26日に公表した資料によれば、今年(2024年)3月の総合消費者…
  3.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  4.  マカオ司法警察局は4月26日、前月(3月)コタイ地区の統合型リゾート(IR)併設カジノ場内にある…
  5.  澳門海關(マカオ税関)は4月26日、世界知的所有権機関(WIPO)が制定した「世界知的財産の日(…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun