マカオの新型コロナ市中感染拡大、累計49人に…全市民対象の迅速抗原検査実施へ、感染源分析は最終段階

 マカオでは、約8ヶ月にわたって新型コロナの市中感染確認例ゼロを維持していたが、6月18日深夜以降、新たな陽性者の出現が続いている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは6月21日午後5時に特別会見を開き、最新情報を発表した。

 同センターによれば、これまでに見つかった陽性者の累計は49人となり、同日午前9時時点から2人増。内訳は女性が36人、男性が13人で、年齢は8ヶ月〜89歳。このうち症状ありが15人、無症状が34人。いずれも軽症。感染経路は依然として明らかになっていないが、分析は最終段階にあるといい、22日にも公表される見通し。

 陽性者は2つのグループに大別される。第1グループは28人で、マカオ半島の新橋エリアにあるアパート「艷麗大廈」の同じ部屋に居住する海外労働者(すべてミャンマー国籍)13人との関連、第2グループは19人で、コロアン島にある矯正施設勤務者の家族関連。残る2人については調査中とのこと。

 疫学調査を通じて、これまでに2142人が隔離検疫の対象とされた。内訳は陽性者の濃厚接触者が304人、非核心濃厚接触者(陽性者と同じ場所に居合わせた)が1229人、二次濃厚接触者が164人、残りが一般接触者と付き添い人など。

 目下、マカオでは複数の場所(ビル及び店舗)が局地ロックダウンの対象となっている。正式発表済みの場所は、マカオ半島が11ヶ所、タイパ島で1ヶ所の計12ヶ所。このうち、21日に追加となったマカオ半島新口岸地区にあるカジノ付きホテル「ホテルフォーチュナ(財神酒店)」に関しては、上述の海外労働者13人のうち1人の勤務先で、その後同僚3人の感染が相次いで明らかになったほか、19日に広東省珠海市で感染確認されたマカオからの入境者2人のうち1人がこのホテル勤務者だった。ホテル内には宿泊客が約300人、従業員が約80人いるという。

 マカオでは6月19日正午から全市民PCR検査(義務的)によるスクリーニングが実施され、当初予定通り21日正午に終了した。約67.7万人分の検体を採取し、これまでに約56.4万人の結果が陰性と判明。ただし、混合サンプル(10人単位)21個が陽性で、個別PCR検査の結果が21日中にも明らかになる見通し。

 今後、22日に全市民対象の迅速抗原検査によるスクリーニングを実施する計画も明らかにされ、詳細については追ってアナウンスするとした。検査キットはPCR検査会場で配布済み。なお、一部エリア(重点区域)については、PCR検査を再実施する方向とし、同じく詳細は追って発表されるとのこと。

 同センターでは、人流と会合機会を減らすため、市民に対して引き続き不要不急の外出を控えること、ビジネス界に対しても緊急度及び必需度の低い商店の一時休業、レストランではイートイン営業を見合わせるよう呼びかけを行っている。緊急性のあるものを除いた公共サービス、金融機関の対外サービスの一時休止についても24日まで延長とされた。学校はすでに一時休校となっており、再開のメドは示されていない。

 参考までに、マカオの人口は約68万人だが、人口密度は1平方キロあたり2万人超となっており、香港や東京を大きく上回る。

局地ロックダウンの対象となった「ホテルフォーチュナ」の消毒作業の様子=2022年6月21日(写真:マカオ市政署)

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