マカオ、全市民PCR検査を再実施へ…市中で陽性者の出現続く、6/18以降の累計71人に

 マカオでは、約8ヶ月にわたって新型コロナの市中感染確認例ゼロを維持していたが、6月18日深夜以降、新たな陽性者の出現が相次いでいる。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは6月22日午後5時から特別会見を開き、今回のアウトブレイクに関する各種最新情報を発表した。

 同日午後3時までのPCR検査を経て陽性が確定した人の数は累計71人となり、同日午前9時時点から6人増。内訳は女性が51人、男性が20人で、年齢は8ヶ月〜89歳。このうち症状ありが24人、無症状が47人。陽性者の中にはカジノに勤務する人が複数人おり、職種は事務、ディーラー、ピットボス、清掃とのこと。

 陽性者は暫定的に3つのグループに大別されるとした。第1グループはマカオ半島中央部の新橋エリアにあるアパート「艷麗大廈」の同じ部屋に居住する海外労働者(すべてミャンマー国籍)13人と関連する36人、第2グループは艷麗大廈の道路を隔てて向かいにあるアパート「達昌大廈」に居住する矯正施設勤務者の家族と関連する26人、第3グループ(今回の会見で初登場)はマカオ半島北部の黒沙環エリアにある「添豊乾洗有限公司」と関連する2人。これらに含まれない7人についてはは疫学調査中。第1グループと第2グループとの間には接点があるとされているが、第3グループとの間については未確認という。

 感染源に関する情報はなく、依然不明のまま。

 また、これまでに疫学調査を通じて隔離の対象とされた人の数は2965人に上っている。局地ロックダウンの対象となった場所(ビル及び店舗単位)は計12ヶ所。

 マカオでは6月19日正午から全市民PCR検査(義務的)によるスクリーニングが実施され、当初予定通り21日正午に終了。これを通じて多くの陽性者の発見に至った。続いて、22日には全市民を対象とした迅速抗原検査によるスクリーニングが実施されている。なお、マカオ半島の一部に重点区域(写真参照)が設定され、区域内に居住、勤務する人などについては、迅速抗原検査と併せて22日中にPCR検査を受検する必要が生じる。他にも、ミャンマー人の陽性者が多いことから、マカオに滞在するすべてのミャンマー人、全市民PCR検査受検時に陽性者と居合わせた人(会場名と日時は公表済み)についてもPCR検査の対象とされた。迅速抗原検査については、22日午後4時までに37.3万人がオンラインで結果申告を提出し、11人が陽性だったとのこと。同センターでは、これまでの検査結果等を踏まえ、潜在的な陽性者の発見を目的として23日午前9時から39時間にわたって再度の全市民PCR検査を実施することも明らかにした。22日にPCR検査を受けた重点対象者については、潜伏期間を考慮し、初日ではなく2日目(24日)の受検を推奨するとした。

 このほか、すでに学校は休校となっているが、6月22日をもって今年度(2021-2022教育年度)を終了することも発表された。マカオの学校はセメスター制を採用しており、おおむね年度は9月から翌年7月までとなっている。

陽性者の出現により局地ロックダウン対象となったマカオ半島台山エリアにあるマンションの消毒作業の様子=2022年6月21日(写真:マカオ市政署)

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