中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は31人、8日連続100人以下…マカオの市中感染拡大受け広東省で警戒高まる=6/22

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、上海や北京など一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が6月23日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月22日の中国本土における新規市中感染確認者数は13人(前日から3人増)だったとのこと。内訳は、上海市9人、北京市3人、内モンゴル自治区1人。中国本土で市中感染確認例が出現するのは250日連続で、11日連続100人以下となった。

 市中の無症状感染例は18人(前日から6人増)。内訳は、吉林省7人、遼寧省5人、広東省3人(深圳市)、広西チワン族自治区3人。

 無症状を含む新規感染者数は31人で、8日連続100人以下を維持した。

 5月末にロックダウンが解除となった上海市では目立ったリバウンドは出現していないものの、依然として社会面(隔離対象ではない一般市中)における感染者が散発的に出現しており、同市ではPCR検査によるスクリーニングが強化されている。4月下旬から再流行が続く北京市については、一旦は多くのエリアで社会面におけるゼロコロナを達成し、一部を除いて正常化が進んだ後に朝陽区にあるバー(クラブ規模の大型施設)で300人超のクラスターが発生するも、近日になって伝播チェーンはほぼ寸断できたとされている。

 6月22日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は717人(うち輸入性が268人)で、重症者は4人(輸入性ゼロ)。無症状の患者1262人(輸入性531人)が医学観察下にあるとのこと。

 このところ中国本土の状況は安定してきた一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に感染確認数の増加が続き、6月22日まで7日連続で市中感染確認数が1千人超となった。マカオについては約8ヶ月にわたって市中感染確認数ゼロを維持してきたが、18日深夜から陽性者の出現が相次ぎ、22日夕方までの累計は71人に。マカオでは19日以降、全市民を対象としたPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングが断続的に実施されており、検査を通じて新たな陽性者の発見が続いている。

 マカオの状況を踏まえ、地理的に近く、往来も多い広東省珠海市などでは流入に対する警戒が高まっている。一部地域でPCR検査によるスクリーニングのほか、マカオからの入境者に対する検疫強化も実施されている。22日から、マカオから珠海市へ入境する場合、7日間の専門施設での隔離(自費)と自宅での隔離(不要不急の外出なし)が必須となった。これまでに広東省内でマカオからの複数の入境者の陽性が判明しており(22日は珠海市で4人)、輸入性症例としてカウントされている。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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