香港の新型コロナ新規感染確認者数は2815人、市中が約95%占める…オミクロンBA.4の増加目立つ=7/6

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株派生型のBA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、長く単日200〜300人程度でこう着状態を維持した後、6月中旬から目立ったリバウンドが出現している。

 香港衛生当局が7月6日夕方の会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規市中感染確認数は前日から587人増の2672人、輸入性は40人減の143人だった。

 市中と輸入性の合計は前日から547人増の2815人で、2日連続2千人超となった。第5波開始以来の累計感染確認数は約124.6万人。

 新規の死亡報告数は1人で、第5波開始以来の累計死亡者数は9193人。

 香港では、4月から段階的に水際措置を緩和して以降、輸入性の感染例が連日出現しており、オミクロン変異株亜種(BA.4、BA2.12.1など)の感染者も相次ぎ見つかっている。また、3月下旬以降に流行状況が安定したことを受けて、4月中旬から5月中旬にかけて学校の対面授業再開、ソーシャルディスタンス措置の緩和(第一段階及び第二段階)が進んだ。

 ただし、5月19日のソーシャルディスタンス措置の第二段階緩和でバーの営業が再開可能となって以降、複数のバーでクラスターの発生が相次ぎ、関連感染者数が3ケタに達したほか、隔離検疫ホテルで発生した交差感染をきっかけに市中でのオミクロン変異株派生型(BA2.12.1など)の伝播につながったケースなどもある。近日も中国料理店や火鍋店で2桁規模のクラスターが相次ぎ発生。ソーシャルディスタンス措置の一層の緩和は見合わせが続く。

 6日の学校からの陽性報告数は209校の239人(生徒193人、教職員46人)。前日からは下落に転じたものの、6月中旬頃からは対面授業再開初期の平均水準を大きく上回る状況。学校のみならず、高齢者介護施設などグループホームからの陽性報告も相次いでおり、小規模なクラスターも出現している。

 流行第5波の初期においては、感染者の急増及び重症化するケースが多く、医療崩壊が現実のものとなったことは記憶に新しい。当局によれば、公立病院における5月初旬の1日あたりの入院患者数は約70〜80人で、流行状況が落ち着いた6月初旬は約30〜40人まで減少したが、今週は100人を超えており、気にかけているとのこと。また、深刻な病状の患者の数が約20人から約30人に増えてきており、今後もし増加することがあれば、一部の緊急性のないサービスを一時中止することもあり得るとした。

 このほか、このところオミクロン変異株の派生型、BA.4あるいはBA.5の感染例の増が目立つとし、感染力が強い上、感染歴のある人が再感染する恐れもあるため、市民に対して留意するよう呼びかけた。

 7月5日時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は92.7%(1回目の接種完了)、88.8%(2回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化を受け、年初にかけて一気に上昇。ただし、一旦状況が落ち着き、こう着状態となって以降は再び頭打ち状態に。5日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は1万2437回で、7日移動平均は1万1406回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(75.99%)、70〜79歳(81.86%)、80歳以上(69.28%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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