中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が9日連続300人超…広東省各地で32人など=7/10

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、上海や北京など一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が7月11日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月10日の中国本土における新規市中感染確認者数は46人(前日から19人減)だったとのこと。内訳は広東省17人、安徽省9人、上海市6人、江蘇省4人、海南省2人、甘粛省2人、北京市1人、内モンゴル自治区1人、浙江省1人、山東省1人、陝西省1人、青海省1人。このうち広東省の3人、江蘇省の1人の計3人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは268日連続で、5日連続100人以下となった。

 市中の無症状感染例は306人(前日から27人増)。内訳は、山東省79人、上海市63人、江蘇省57人、安徽省30人、甘粛省25人、福建省18人、広東省15人、河南省12人、広西チワン族自治区3人、山西省1人、江西省1人、海南省1人、陝西省1人。

 無症状を含む新規感染者数は352人で、11日連続100人超、また9日連続300人超となった。

 7月10日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は1047人(うち輸入性が420人)で、重症者はゼロ。無症状の患者3094人(輸入性382人)が医学観察下にあるとのこと。

 香港・マカオと隣接する広東省では、5月下旬までに状況は落ち着いたが、その後しばらくして散発的な市中感染例が出現していた。9日以降、省内各地で感染例の出現が相次ぐ。10日の感染例は32人に上り、広州市、深圳市、韶関市、中山市、江門市、茂名市、仏山市、東莞市から報告されたケース。このうち中山市では感染確認が5人、仏山市では無症状感染が10人で、多くの中・高リスクゾーン(局地ロックダウン対象)が設定されたとのこと。

 近日は安徽省宿州市泗県で規模の大きな再流行が発生。市当局は10日、泗県における全民PCR検査によるスクリーニングを実施する中、3日連続で社会面(隔離対象ではない一般市中)からの陽性者ゼロを維持したことを明らかにした。

 5月末に長期のロックダウンが解除となり、正常化が進んだ上海市だが、近日再び多くの市中感染が出現している。10日の感染例69人のうち一般市中から発見に至ったのは奉賢区の1人(無症状)で、残りは隔離対象者だったという。

 山東省でも10日の感染例は80人に上ったが、うち78人が臨沂市に集中しており、すべて無症状とのこと。

 このところ中国本土の状況が総じて落ち着いてきた一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、直近では3千前後(輸入性含む)となっている。マカオについては約8ヶ月にわたって市中感染確認数ゼロを維持してきたが、6月18日深夜から陽性者の出現が相次ぎ、11日午前0時までの累計は1526人に。マカオでは19日以降、全市民を対象としたPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングが高頻度で実施されており、7月17日まで継続することがアナウンス済み。11日から18日まではセミロックダウンともいえる”社会相対静止”状態に突入する。目下のマカオ市中の流行株は感染力が強いとされるオミクロン変異株派生型のBA.5.1とされている。

中国広東省深圳市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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