マカオ、一般市中からの陽性者が減少傾向…衛生当局「週内のゼロコロナ達成希望」

 人口約68万人のマカオでは、約8ヶ月にわたって新型コロナの市中感染確認例ゼロを維持していたが、6月18日深夜以降、ここまで約1ヶ月にわたって陽性者の出現が続いている。(以下、「6・18アウトブレイク」と表記)

 6・18アウトブレイクは、感染力が非常に強いオミクロン変異株派生型の「BA.5.1」が市中へ流入し(感染源不明)、伝播が拡大したものとされ、1平方キロメートルあたりの人口密度が2万人超と極めて高いマカオにとって、大きな脅威となっている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは7月17日午後5時から定例会見を開き、6・18アウトブレイクに関する最新情報を発表した。

 17日午前0時までの直近24時間にPCR検査を経て陽性が確定した人の数(市中感染事例に限る)は27人で、3日ぶりにピーク(7月9日の149人)後の最少を更新。ただし、直近5日間は30人前後で下げ止まっている。

 27人のうち隔離対象(局地ロックダウン対象ゾーン内及び隔離検疫ホテル)から発見に至ったのが20人、一般市中からが4人(濃厚接触者2人、全市民PCR検査及び重点検査対象2人、その他0人)とのこと。9日連続で隔離対象から発見に至ったケースが過半数を占め、3日ぶりに一般市中からの陽性者数が1桁となった。

 マカオ衛生当局は、一般市中からの陽性者は減少傾向にあり、市民の継続的な防疫措置への協力によって減少を持続するだろうとし、週内のゼロコロナ達成を希望すると述べた。ここまで慎重な見方を維持してきたが、アウトブレイク発生から1ヶ月を経て、ようやく封じ込めが現実感を帯びてきたようだ。

 6月18日以降の累計陽性者は1733人に。内訳は女性900人、男性が833人、年齢3ヶ月〜100歳、症状あり(感染確認)が陽性者全体の37.9%にあたる656人、無症状が同62.1%の1077人。

 17日午後3時までに疫学調査の対象(隔離)とされた人の数は2万1389人に上った。内訳は陽性者1733人のほか、濃厚接触者が3391人、非核心濃厚接触者(陽性者と居合わせた)が1万1490人、二次濃厚接触者が1259人、一般接触者が254人、付き添い人が776人。

 マカオでは6月19日以降、全市民を対象とした義務的なPCR検査及び迅速抗原検査、さらには一部重点区域、重点人群に対象を絞った追加のPCR検査によるスクリーニングが高頻度で実施されている。7月10日から17日までの8日間にわたって4回(6月19日以降で7、8、9、10回目)の全市民PCR検査が実施されており、期間中は毎日の迅速抗原検査のセルフ実施も求められる。現在、10回目の検査が実施中(16日午前9時から17日午後6時)で、17日午後3時までに59万8991人が受検、うち44万9862人の結果が陰性と判明し、陽性反応が検出された混合検体(10人分で1本)は3本だった。前週初頭の4回目以降、回を重ねるごとに混合検体の陽性反応検出数は減少傾向にある。具体的には第4回が94本、第5回が41本、第6回が23本、第7回が17本、第8回が13本、第9回が9本。また、新たに18日から23日まで6日間にわたって3回(11、12、13回目)の全市民PCR検査(+毎日の迅速抗原検査)が追加実施される。

 目下、陽性者が出現した場所(ビル及び店舗単位)に対する局地ロックダウンや各種人流抑制策などが講じられているが、追加の特別措置を講じる行政長官令が発出され、7月11日午前0時から7日間にわたり”社会相対静止”状態に入った。期間中、社会運営及び市民の生活維持に必要とされる(インフラ、燃料、食料、薬局など)以外の企業・事業場所の運営は停止が求められる。カジノも閉鎖に。また、ステイホームを基本とし、外出は全市民PCR検査受験や業務上必要な場合、生活物資の購入、緊急要件に限るとされ、成人はKN95規格以上のマスクを着用することが求められる。本措置についても、5日間(23日午前0時まで)の延長することがアナウンス済み。

 なお、特別措置の各種規定への違反行為は刑事罰の対象とされる。17日午後3時までの累計検挙者数は27人とのこと。

マカオ政府衛生局公衆衛生研究所は高頻度の全市民PCR検査によるスクリーニングを24時間稼働で支えている(写真:GCS)

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