中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は935人…大半が甘粛省、広西チワン族自治区、河南省の一部に集中=7/19

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、上海や北京など一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が7月20日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月19日の中国本土における新規市中感染確認者数は108人(前日から91人減)だったとのこと。内訳は甘粛省47人、広西チワン族自治区21人、広東省20人、四川省7人、上海市5人、安徽省4人、江西省3人、北京市1人。このうち甘粛省の22人、四川省の5人、北京市の1人、広東省の1人の計29人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは277日連続で、4日連続100人超となった。

 市中の無症状感染例は827人(前日から327人増)。内訳は甘粛省306人、広西チワン族自治区256人、河南省127人、安徽省79人、天津市14人、上海市10人、吉林省8人、広東省8人、江西省7人、四川省7人、雲南省3人、江蘇省1人、湖南省1人。

 無症状を含む新規感染者数は935人で、5月20日以来の最多に。

 7月19日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は1484人(うち輸入性が481人)で、重症者は1人(輸入性ゼロ)。無症状の患者4611人(輸入性389人)が医学観察下にあるとのこと。

 香港・マカオと隣接する広東省では、このところ省内の多くの都市で感染者の出現が相次ぐ。19日の感染例は28人に上り、数の多い順に深圳市(19人)、珠海市(6人)、仏山市(1人)、広州市(1人)、惠州市(1人)の5市に分布。このうちマカオの隣に位置する珠海市では7月11日からオミクロン変異株の派生型「BA.5」の流行が続いており、累計感染者数は100人超に達している。19日の珠海市の感染例はいずれも隔離・閉塞管理対象の中から発見に至ったケース。

 このところ感染例が特に多くなっているのが甘粛省、広西チワン族自治区、河南省。いずれも省区内の一部に集中しており、それぞれ蘭州市、北海市、駐馬店市。このうち北海市では仮設の大規模病院が完成、稼働し、無症状感染者を受け入れているという。他にも安徽省などでやや規模の大きい局地的な再流行が発生している。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、直近では3千前後(輸入性含む)となっている。マカオについては約8ヶ月にわたって市中感染確認数ゼロを維持してきたが、6月18日深夜から陽性者の出現が相次ぎ、20日午前0時までの累計は1783人に。マカオでは19日以降、全市民を対象としたPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングが高頻度で実施されており、7月23日まで継続することがアナウンス済み。11日から22日まではセミロックダウンともいえる”社会相対静止”状態に入っている。目下のマカオ市中の流行株は感染力が強いとされるオミクロン変異株派生型のBA.5.1とされている。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

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