マカオ・中国本土間の陸路ルートで隔離検疫免除の相互往来が再開…約1ヶ月半ぶり

 マカオと中国広東省珠海市は陸で接しており、複数の陸路ボーダーが設置されている。両地の往来は盛んで、マカオのインバウンド旅客の大半が陸路ルートとなっている。

 新型コロナの流行は始まって以降、マカオは中国本土に倣って「動態清零」(ダイナミック・ゼロコロナ)政策を堅持している。海外からの入境者に対しては、外国人の原則入境禁止や隔離検疫といった極めて厳格な水際措置を講じている一方、中国本土との間では、2020年第4四半期までに条件付きでの隔離検疫免除の相互往来が可能となっている。

 ただし、マカオの市中で感染者が出現した場合、隔離検疫免除での相互往来は一時ストップする。6月18日深夜からマカオでオミクロンBA.5の流行が出現したことを受け、マカオから珠海への陸路の越境に対して隔離検疫が必須とされた。珠海からマカオへの逆ルートは隔離検疫免除が継続されていたものの、徐々に戻りつつあったインバウンド旅客は消失し、越境通勤者もマカオに留まることを余儀なくされるなど、大きな影響が生じた。

 その後、マカオのオミクロンBA.5の流行は、準ロックダウンや全市民対象高頻度PCRの実施などの対策を経て、8月1日までに一般市中におけるゼロコロナ状態を達成。8月3日昼すぎ、同日午後6時以降にマカオから珠海への陸路ルートで隔離検疫免除を再開するとアナウンスされた。隔離検疫免除条件として、24時間以内のPCR検査陰性証明の提示、ウィーチャットの「健康珠海」ミニアプリを通じた申請、珠海入境後に3日以内に2回のPCR検査を受検することが求められる。隔離検疫免除での相互往来が再開するのは、約1ヶ月半ぶりのこと。

 これを受けて、マカオ政府観光局でも中国本土に向けた誘客プロモーション情報の発信を再開した。観光都市マカオにとって、夏休みは書き入れ時となる。すでに8月に入っているが、月末にかけてインバウンド旅客の回復に期待がかかる。

マカオと中国広東省との主要な陸路の玄関口となる關閘イミグレーション(資料)―本紙撮影

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