マカオで今年8人目のツツガムシ病患者確認…患者はハイキングが日課

 マカオ政府衛生局(SSM)は8月5日午後、マカオで感染症のツツガムシ(恙虫)病とみられる患者が新たに1人報告されたと発表。

 SSMによれば、患者はリタイア生活を送るマカオ人の男性(58)で、7月下旬から発熱及び全身関節痛の症状が現れ、自身で薬を服用したものの症状が反復したため、8月2日に私立総合病院の鏡湖醫院を受診。依然として発熱が続いていたというが、検査で右の鎖骨下にかさぶたが1点見つかり、投薬治療を経て症状が回復。症状、治療の有効性からツツガムシ病と臨床診断されたとのこと。患者はマカオ半島北西部にある青洲山へハイキングに出掛けるのが日課で、その際に草むらを歩くことがあったとしたが、同住者に類似の症状は出ていないと説明したという。

 マカオでツツガムシ病の感染者が確認されるのは今年8人目で、すべて5月初旬以降の事案。このうち輸入性は1人のみで、3人についてはマカオ半島北部の望廈山市政公園の草むらの中を歩いたという共通点があり、青洲山での報告例は今年初めて。本来マカオで輸入性ではないツツガムシ病の感染例が見つかるのは極めて稀なケース。

 ツツガムシ病は日本で第4類感染症に指定されており、ツツガムシリケッチアと呼ばれる病原体の感染によって引き起こされる、人獣共通感染症のひとつ。野ネズミなどの哺乳類に寄生するダニの一種、ツツガムシのうちの一部が媒介者となる。ツツガムシが生息する野山や河川敷で罹患することが多い。ツツガムシ病の初期症状はインフルエンザににており、食欲減退、頭痛、悪寒、高熱などがみられ、4、5日目には発疹が現れる。放置すると肝臓や腎臓の機能にも影響が及ぶといわれる。現在、予防ワクチンはなく、抗生物質を服用することが有効な治療法とされているとのこと。

 SSMでは、野外活動の際にむやみに草むらに入らない、肌の露出が少ない服装を心がける、ダニに効く虫除けスプレーなどを使用するなど、感染防御策を徹底するよう市民に呼びかけている。

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)-本紙撮影

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)-本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は9月11日、マカオ国際空港の出発口にある保安検査場で別の旅客が置き忘れた腕時計…
  2.  マカオ司法警察局は9月11日、マカオの高齢者を狙った特殊詐欺(電話詐欺)事案に関与したとして30…
  3.  近年、マカオ政府文化局(ICM)では、文化資産のデジタル化を進め、多くの文物及び文化施設について…
  4.  マカオ金融管理局が9月11日に公表した今年(2024年)7月の住宅及び商業物件向けローン関連統計…
  5.  マカオ治安警察局は9月10日、同月4日に路線バスの車内で乗り合わせていた30代地元女性へ痴漢行為…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun