マカオ、2022年7月のインバウンド旅客数が対前年98.8%減…新型コロナ流行開始以来の最少の9759人

 マカオ政府統計調査局は8月18日、今年(2022年)7月の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。

 7月のインバウンド旅客数は6月中旬からマカオ市中でオミクロンBA.5の流行が出現したことに伴い、中国本土との間の往来に係る水際措置が強化された影響により、前月から97.4%、前年同月から98.8%のそれぞれ減となる9759人(延べ、以下同)にとどまった。対前月では3ヶ月連続のマイナス。2020年4月の1万1041人を下回り、新型コロナの流行が始まって以来の最少となった。

 内訳は、日帰り旅客が7189人、宿泊を伴う旅客が2570人。平均滞在時間は前年同月から6.5日長い8.3日で、内訳は日帰り旅客が横ばいの0.1日、宿泊を伴う旅客についてはマカオから中国本土へ入境する際に隔離検疫が求められるようになったことから一部旅客がマカオ滞在を延長する選択をしたため、前年同月から22.0日長い25.4日に。

 国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、前年同月から99.0%減の7321人、全体に占める割合は75.0%。このうち個人旅行客が124人。中国本土からの旅客の原居地別では、大湾区(グレーターベイエリア)9市が4169人で、マカオと隣接する広東省珠海市が89.5%を占めた。香港と台湾からの旅客はそれぞれ497人、1877人。

 インバウンド旅客の入境ルートは前年同月から陸路が98.6%減の9549人で最多。このうち關閘イミグレーション経由が6085人、横琴イミグレーション経由が1949人。空路はわずか210人。

 今年1〜7月累計のインバウンド旅客数は前年同時期から26.3%減の347万4866人。内訳は、日帰り旅客が2.6%減の218万8015人、宿泊を伴う旅客が47.9%減の128万6851人。旅客の平均滞在時間は0.4日短い1.2日で、日帰り旅客が横ばいの0.1日、宿泊を伴う旅客が0.1日延びて3.1日。

 マカオと中国本土の間では、一昨年(2020年)第4四半期までに往来制限が緩和され、直近7日以内の新型コロナPCR検査陰性証明の提示など一定の条件を満たせば隔離検疫免除で相互往来が可能となった。ただし、中国本土では再流行が散発的に発生しており、状況に応じて「中リスク地域」指定が行われ、これに該当する地域からマカオへ入境する場合には、隔離検疫を必要とするなどの措置が講じられる。今年に入って以降、オミクロン変異株の流入によって中国本土各地で比較的規模の大きな再流行が出現し、水際措置だけでなく、移動に関する制限が講じらる場合もあることから、マカオのインバウンド旅客数に影響が生じている。6月中旬にマカオ域内で出現したオミクロンBA.5の流行は8月頭までに落ち着き、中国本土との間の隔離検疫免除の相互往来も再開したため、この状況が続けば、8月にかけてインバウンド旅客数の回復が見込まれる。

 目下、中国本土を除く国・地域からのマカオ入境は厳しく制限されている状況。香港、台湾居民については、直近の滞在地、渡航歴によって分類され、入境禁止、政府指定のホテルにおける隔離検疫(費用は自己負担、期間は直前の滞在地域などにより異なる)、新型コロナウイルスPCR検査陰性証明書の提示を求めるなどの対応。外国人については原則入境禁止となっていたが、就労ビザを持つ人などを対象に一部緩和された。ただし、要件をクリアした上、当局への申請、承認手続きの必要があり、ハードルは高い。

マカオの著名観光スポットのひとつ、世界遺産・セナド広場周辺の様子(資料)=2022年7月27日本紙撮影

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