マカオ、オミクロンBA.5流行に伴う準ロックダウンで失業率が急上昇…マカオ居民に限ると過去最悪の5.1%に

 マカオ政府統計調査局は8月26日、今年(2022年)5〜7月期の雇用統計を公表。総体失業率が4.1%、マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)に限った失業率は過去最悪の5.1%だった。

 前回調査(今年4〜6月期)から前者が0.4ポイント(pt)、後者が0.6ポイント上昇(悪化)。不完全雇用率は9.3pt上昇の13.4%。

 マカオでは依然としてゼロコロナ政策を堅持しており、流行長期化に伴い、リーマンショックの影響があった2009年以来の高水準が続く状況。今回の最新調査で就業状況が一層悪化した要因については、6月中旬から8月初頭にかけて新型コロナ(オミクロンBA.5)のアウトブレイクが発生し、準ロックダウンを含む極めて厳格な防疫措置が講じられたことが挙げられる。

 今年5〜7月期のマカオ居住の労働人口は37.70万人、労働参加率は68.2%。就業人口は前回調査から2900人減の36.13万人、マカオ居民に限ると1500人減の27.40万人。

 失業人口は前回調査時から1700人増の1.56万人。求職中の失業者のうち直前までカジノ・カジノ仲介業と建設業に従事していた人の数が多かった。このほか、新卒者が労働市場に投入される時期にあたることから、初めて職探しをする新増労働力の占める割合は1.7pt上昇の8.7%。

 不完全就業者数は3.49万人の大幅増となる5.06万人。上述の順ロックダウンにより一時休業や営業規模の縮小が発生したことによるもので、カジノ・カジノ仲介業、ホテル・飲食業、小売業従事者が多くを占めた。

 前年同時期との比較では、不完全雇用率、総体失業率、労働参加率が9.9pt、1.2pt、0.3ptのそれぞれ上昇。

 就業調査の統計対象はマカオ半島、タイパ・コロアン島にある住宅の居住者(学生寮や高齢者入所施設等のグループホームを除く)で、域外からマカオへ越境通勤するマカオ居民及び海外労働者は含まれない。出入境資料を元にマカオ居民及び海外労働者の越境通勤者数は約8.80万人と推計され、これを含むマカオの総労働力は前回調査から1800人減の46.50万人。

 マカオで雇用の調整弁となっているのは海外労働者で、コロナ禍で厳しい経済情勢の中、マカオ政府労工局(DSAL)はマカオ居民の雇用の継続と優先就業を確保するため海外労働者数の調整を行っていることを明らかにしている。DSALの最新統計によれば、今年6月末時点における海外労働者数は16万2391人で、前月末から2862人、前年同月末から9870人のそれぞれ減だった。このところ減少傾向が続いている。

 また、DSALは26日午前に発出したプレスリリースの中で、昨今の就業状況の変化を注視しており、ジョブマッチングやジョブフェアの開催、職業訓練等の実施などを通じて、マカオ居民の就業サポートに継続的に取り組んでいるとした。今年1〜8月にかけて業界別32回、レジャー企業39回、大型フェア1回のジョブマッチング機会の提供などを通じ、マカオ居民4千人超の就職をサポートしたとのこと。

マカオ居民の就業を支援するため開催された大型ジョブマッチングフェアの様子(写真:DSAL)

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