香港の新型コロナ新規感染確認者数は8848人…リバウンドのピークは未達=8/30

 人口約730万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 香港衛生当局が8月30日夕方の会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規市中感染確認数は前日から359人増の8611人、輸入性は1人増の237人だった。

 輸入性の感染例の発見に至った検査地点・タイミングは空港が83人、隔離検疫ホテルが43人のほか、隔離検疫期間(3日間)満了後の到着4〜7日目に採取した検体から発見に至ったケースが77人。

 市中と輸入性の合計は前日から360人増の8848人。第5波開始以来の累計感染確認数は約151.9万人。

 新規死亡報告数は13人、年齢は54〜97歳。このうち10人が3回目の接種を受けておらず、5人については全くの未接種だった。第5波開始以来の累計死亡者数は9468人に。

 直近の公立病院の入院患者数(新型コロナ感染者)は2585人で、このうち新規の入院患者が343人とのこと。容体は危篤が47人、深刻が45人など。

 このところの目立ったリバウンドの出現要因として、主流株がオミクロンBA.5へ置き換わりつつあることが指摘されている。最新データでは、BA.5感染疑いの全体に占める割合が49.5%まで上昇したとのこと。このほか、BA.4が6.7%、BA2.12.1が6.1%、BA2.2が37.7%。

 当局は会見の中で、今回のリバウンドは未だピークに達していないとの見方を示し、市民に対して状況を軽視しないよう呼びかけた。

 香港では2月から3月にかけて、オミクロン変異株派生型のBA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、長く単日200〜300人程度でこう着状態を維持した後、6月中旬から目立ったリバウンドが出現している。2〜3月にかけてのピーク後に、水際措置及びソーシャルディスタンス措置の段階的緩和があった。

 近日、入院患者数の増が続く中、8月21日夜にランタオ島のアジアワールドエキスポ内の臨時病院が再稼働したほか、すでに公立病院における病床調整プランが発動され、コロナ患者用の病床確保が進むが、一方で緊急性を要しない医療サービスに影響が生じ始めている。2〜3月にかけてのピーク時には医療崩壊が発生し、中国本土からの支援隊が駆けつける事態となったことは記憶に新しい。

 8月29日時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は93.4%(1回目の接種完了)、90.4%(2回目の接種完了)、71.6%(3回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化を受け、年初にかけて一気に上昇。ただし、一旦状況が落ち着き、こう着状態となって以降は再び頭打ち状態に。29日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は2万9407回で、7日移動平均は2万1683回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3歳以下(10.73%)、3〜11歳(80.36%)、70〜79歳(82.53%)、80歳以上(70.46%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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