香港の新型コロナ新規感染確認者数は7218人…4日連続1万人以下、今後しばらく高止まり見通し=9/13

 人口約730万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 香港衛生当局が9月13日夕方の会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規市中感染確認数は前日から705人減の7067人、輸入性は15人減の151人だった。

 市中と輸入性の合計は前日から720人減の7218人。4日連続1万人以下、また3日連続で9月に入って以降の最少を更新した。第5波開始以来の累計感染確認数は約165.4万人。

 新規死亡報告数は10人で、年齢は52〜95歳。このうち5人が3回目のワクチン接種を受けていなかった。第5波開始以来の累計死亡者数は9607人に。

 直近の公立病院の入院患者数(新型コロナ感染者)は2885人で、このうち新規の入院患者が343人。いずれも前日から増加した。

 感染者数の増と比例して入院患者数も増加の一途にあり、8月下旬からランタオ島のアジアワールドエキスポ内の臨時病院が再稼働したほか、公立病院における病床調整プランも発動され、コロナ患者用の病床確保が進む。その一方で、緊急性を要しない医療サービスに影響が及んでいる。院内感染や医療従事者の感染が相次ぐほか、高齢者介護施設などグループホームでもクラスターが頻繁に出現する状況。

 香港では2月から3月にかけて、オミクロン変異株派生型のBA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、長く単日200〜300人程度でこう着状態を維持した後、6月中旬からは主流株のオミクロンBA.5への置き換わりが進んだことで、目立ったリバウンドが出現している。2〜3月にかけてのピーク後には、水際措置及びソーシャルディスタンス措置の段階的緩和があった。リバウンドの出現を受けて、ソーシャルディスタンス措置については追加緩和の見合わせが続く。

 当局は、過去3、4日の単日新規感染者数は減少しているものの、依然として7〜8千人程度の相当な高水準にあるとした上、目下の流行状況は依然として深刻で、中秋節連休中の検査数が少なかったこととも関連する可能性があるとの見方を示した。加えて、香港大学の研究による実効再生産数が1を上回る状況は変わっておらず、今後しばらく高止まりが続く見通しで、中秋節連休中の社交活動をきっかけとした伝播拡大もあり得るとした。

 9月13日時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は93.8%(1回目の接種完了)、91.2%(2回目の接種完了)、75.1%(3回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化やワクチンパス制度の導入を受け、年初にかけて一気に上昇。ただし、一旦状況が落ち着き、こう着状態となって以降は再び頭打ち状態に。13日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は3万3851回で、7日移動平均は2万8599回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3歳以下(14.67%)、3〜11歳(82.32%)、70〜79歳(82.81%)、80歳以上(70.82%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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