マカオ当局、入境時隔離検疫期間短縮の可能性を再び示唆…現状中国本土以外からは7日間

 新型コロナ防疫措置に絡む水際措置について、入国(入境)時の隔離検疫期間を短縮または撤廃する動きが加速している。

 マカオと同じ中国の特別行政区にあたる香港では、今年に入って以降、入境時の義務的隔離検疫期間が段階的に短縮され、9月26日からは不要となった。事実上ウィズコロナに転換といえる。

 一方、マカオは中国本土に倣ってゼロコロナ政策を堅持しており、現状は中国本土との間に限って条件付きで隔離検疫免除での相互往来が実現しているものの、その他の国・地域から入境する場合は所定施設(政府指定ホテル)での「7日間」の義務的隔離検疫を要する。

 マカオの入境時義務的隔離検疫期間が7日間となっているのは、中国(中央)が6月28日に発出した「新型コロナウイルス肺炎感染対策方案」の「第9版」を根拠としているためで、中国本土の基準に合わせることで、隔離検疫免除での相互往来を実現できるというロジックだ。香港の場合、中国本土を含めた各地から香港へ入境する際に隔離検疫は不要だが、香港から中国本土やマカオへ入境する際には隔離検疫を要する。

 マカオ政府の賀一誠行政長官は香港が隔離検疫撤廃を発表して間もない9月24日に特別記者会見を開き、中国本土との隔離検疫免除での往来を維持することが今のマカオにとって非常に重要であるとし、入境時隔離検疫期間の短縮に否定的な見方を示した上、今後の見通しについては次の新型コロナウイルス肺炎感染対策方案「第10版」で隔離検疫期間の短縮が盛り込まれるか次第と述べた。香港の隔離検疫撤廃発表を受けてマカオでも期間短縮があるのではと期待されたが、この会見を受けて、短縮論は鳴りを潜めるかたちとなった。

 その後、マカオでは、10月15日から隔離検疫期間満了後の健康管理措置について、若干の変更がなされている。7日間の隔離検疫期間を満了して市中に出た後に設定される自己健康管理期間を3日間(隔離検疫期間満了日が0日目として計算)、その期間中に受検する義務的PCR検査を4回(0、1、2、3日目に受検)とするもので、ほとんど以前と変わりがない。

 これに先立ち、マカオ政府衛生局伝染病予防管理部の梁亦好部長は10月14日に会見に臨み、隔離検疫期間の短縮の有無について問われた際、マカオの輸入性症例について入境後何日目に陽性となったかなどのデータをモニタリングしているとした上、オミクロン株の潜伏期間は7日間だが、今後新たな変異株の潜伏期間がより短いことが判明した際には、隔離検疫期間の短縮の可能性もあるとし、科学的根拠に基づいて決定したいと回答した。

 再び隔離検疫期間短縮の可能性が示唆されたといえるが、すぐにというわけではなさそうだ。

香港とマカオ、珠海を結ぶ「港珠澳大橋」のイメージ(資料)=2019年10月本紙撮影

香港とマカオ、珠海を結ぶ「港珠澳大橋」のイメージ(資料)=2019年10月本紙撮影

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