マカオ初の地下鉄、完成予定は2028年

 マカオ政府は10月18日の立法会で、マカオ初となる地下鉄方式での建設を予定しているマカオLRT(新交通システム)東線に関する詳細計画案を発表した。

 マカオLRT東線は、マカオ半島北部に位置する中国本土との主要な陸路の玄関口「關閘イミグレーション」前からマカオ半島の北東部、マカオ半島の沖合に造成中の埋立地を経て、タイパ島北部の北安地区を結ぶルートで、路線距離は7.7km、駅の数は6駅(仮称ES1〜ES6、すべて地下駅)。今年(2022年)第4四半期中に入札を行い、2028年の完成を予定しているとのこと。

 路線の両端については、南側のES6駅の先で地上に出て2019年12月に開通済みのタイパ線の高架線(タイパ線は全線高架)に接続。北側のES1駅は将来的な青茂イミグレーションへの延伸を前提とした造りにするとした。

マカオLRT東線の仮称ES1及びES2駅の初歩デザインイメージ(図版:マカオ政府公共建設局発出資料より)

 駅構内の柱には、マカオの文化・習俗と現代的な芸術手法を融合したデザインを取り入れ、駅ごとに異なるテーマカラーを設定するという。

 目下、タイパ線の延伸部及び支線の建設工事が進められているが、海洋駅から西湾大橋を経由して媽閣駅に至る延伸部は2023年第4四半期、横琴支線及び石排湾支線は2024年第4四半期のそれぞれ完成予定とした。

 タイパ線、タイパ線の延長部と支線、東線を合わせた路線距離は約24kmとなり、政府は公共交通カバー率が現在の3.3%から16.3%となり、1日平均輸送量は約13.7万人に上る見込みとした。なお、昨年のタイパ線の1日平均乗客数は2千人程度にとどまっている。

マカオLRT路線イメージ。赤=東線、青=タイパ線、紫=横琴支線、紺=石排湾支線(図版:マカオ政府公共建設局発出資料より)

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