マカオ、2022年3Qのモバイル決済件数は対前年1割超の増…キャッシュレス決済普及進む

 マカオ政府金融管理局は11月7日、今年第3四半期(2022年7〜9月期)のクレジットカードとモバイル決済に関する統計を公表。

 マカオの銀行が発行した個人向けクレジットカード及びデビットカードの発行枚数はいずれも前年同期比で増加したが、決済総額は減少。一方で、モバイル決済については取引件数、取引額とも増だった。

 今年9月末時点におけるマカオの銀行が発行した個人向けクレジットカードの総数は166万8934枚で、前年同時期から10.5%増、同デビットカードの総数は209万5845枚で、9.1%増。

 今年9月末時点におけるマカオの銀行が承認したクレジットカードの与信総額は前年同時期から5.6%増の473億パタカ(日本円換算:約8726億円)。カード債券総額は24億パタカ(約443億円)で、このうち支払い先送り分が未収債券の29.4%にあたる7億2000万パタカ(約133億円)。支払い予定日から3ヶ月以上の未収金比率は0.5ポイント上昇の2.9%。

 今年第3四半期のマカオ発行クレジットカードの決済総額は前年同時期から7.8%減の45億パタカ(約830億円)。このうち、キャッシングが1億3000万パタカ(約24億円)で、決済総額の2.9%を占めた。決済件数は1.9%減の692万件。このほか、利息及び手数料を含む返済総額は11.6%減となる45億パタカ(約830億円)。現金引き出しを除くデビットカードの決済件数は30万件、決済総額は6億4000万パタカ(約118億円)。

 今年第3四半期のモバイル決済の取引件数は前年同時期から13.8%増の6138万件、決済総額は18.6%増の63億パタカ(約1162億円)で、平均決済額は102.4パタカ(約1889円)。今年9月末時点のモバイル決済受理端末及び二次元バーコード付きサイネージの数は10.5%増の約9万3000台。

 参考までに、マカオの人口は約68万人。マカオ政府は昨年、新型コロナ経済支援対策の一環として、市民のモバイル決済プラットフォームアカウントに電子マネーを配布する初の試みを実施。今年も6月から同様のスキームが再実施されており、10月には新たな電子マネーでの給付金もあった。コロナ禍でオンラインショッピングやモバイルアプリを活用したフードデリバリーの利用も進んでいる状況で、現金決済からキャッシュレス決済の移行が急速に進んでいる印象。

マカオにおける電子消費給付を使ったQRコード決済のイメージ(写真:マカオ政府経済・科技発展局/金融管理局)

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