マカオ、2022年通期のカジノ税収は43.6%減の約3194億円

 このほどマカオ政府財政局が公表した最新の財政収支資料によれば、昨年通期(2022年1〜12月)の歳入は前年から16.3%増の1044億8647.5万パタカ(日本円換算:約1兆7457億円)で、予算執行率は71.8%だった。

 ただし、経常的収入に限ると28.2%減の362億1836.5万パタカ(約6051億円)。このうち、いわゆるゲーミング(カジノ)税収は43.6%減の191億1489.4万パタカ(約3194億円)。年度予算執行率は55.6%で、歳入に占めるゲーミング税の割合は18.3%。コロナ前は歳入の約8割を占めるのが普通だったが、ゲーミング税収の大幅減に加え、資本収入に財政準備からの補填分が計上されたことにより割合が小さくなった。

 歳出は15.6%増の995億8662.5万パタカ(約1兆6639億円)で、年度予算執行率は80.7%。新型コロナ経済支援対策を含む援助・補助等の項目616億9724.2万パタカ(約1兆0308億円)を含む経常性費用が歳出の50.9%を占めた。

 財政収支は48億9984.9万パタカ(約819億円)の黒字、前年比では33.6%増。

 財政収支が黒字ではあるが、コロナ禍により主要財源であるゲーミング税収が激減し、財政準備資産からの補填を余儀なくされており、2020年以降は実質赤字の状況が続いている。

 ゲーミング税はカジノ粗収益(Gross Gaming Revenue=GGR)がベースとなる。2020年1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う入境制限を含む防疫措置の強化等によってインバウンド旅客数が低迷し、GGRを直撃。昨年通期のGGRは対前年51.4%減の421.98億パタカ(約7048億円)で、2004年以来で最少となり、コロナ前2019年水準の2割弱にとどまった。

 マカオでは長くゼロコロナ政策が維持され、インバウンド旅客数の低迷につながっていたが、昨年12月から事実上のウィズコロナに転換し、水際措置の緩和も進んでいる。今年に入って以降インバウンド旅客数が急回復しており、カジノ売上にも波及している状況。今年については、コロナ前との比較でどの程度まで回復するかが注目される。

カジノのイメージ(資料)=本紙撮影

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