マカオ、2023年1Qの違法喫煙取り締まり状況公表…違反検挙数786件

 世界的な健康意識の高まりを受け、マカオでは屋内公共エリア及び公園などの大半を禁煙とする「新禁煙法(喫煙予防及びコントロール法)」が2012年1月1日から施行され、市内ではマカオ政府衛生局(SSM)の法執行官(禁煙Gメン)が昼夜を問わず巡回取り締まりを行っている。

 その後、2018年1月に改正法が施行となり、マカオ国際空港とカジノに設置された喫煙所を除く屋内パブリックエリアを全面禁煙としたほか、屋外に関してもバス停・タクシー乗り場の周囲10メートルを新たに禁煙ゾーンに設定。コンビニエンスストア、スーパーマーケット、新聞スタンド等の店頭におけるたばこ製品の公開陳列が禁止となり、禁煙ゾーンにおける違反喫煙に対する罰金が従来の2.5倍に相当する1500パタカ(日本円換算:約2.5万円)になるなど、各種罰金が大幅に引き上げられた。また、2019年1月からはカジノフロアの全面禁煙化が実施され、電子たばこ製品の販売も禁止された。

 マカオのカジノ施設は、2014年10月6日からハイローラーと呼ばれる大口ギャンブラーを対象としたVIPルームが分煙、平場にあたるマスゲーミングフロアが全面禁煙となり、マスゲーミングフロアには喫煙ルームが設置された。2019年1月からはカジノフロアの全面禁煙化がスタート。喫煙はマスゲーミングエリア(いわゆる平場)とVIPルームのそれぞれに設置された政府認可済みの新基準をクリアした高規格の喫煙ルーム内でのみ可能となっている。カジノフロア内については、SSMとカジノ監理当局にあたるDICJが合同で取り締まりを行っている。

”禁煙Gメン”による違法喫煙行為に対する取り締まりの様子(写真:SSM)

 SSMが4月13日に発出したプレスリリースによれば、今年第1四半期(2023年1〜3月)の禁煙Gメンによる巡回場所は延べ7万2300箇所(1日平均延べ800箇所)、違反検挙数は786件。このうち、禁煙ゾーンでの違法喫煙行為が772件で、違反場所についてはレストランが最も多く、全体の21.9%を占めた。次いで、グループ利用向け屋内場所(9.8%)、ゲームセンター(9.3%)。

 カジノについては、SSMとDICJの2部局による合同巡回場所は延べ約140箇所、違反検挙数は30件だった。

 マカオでは増税によるたばこ製品の値上げや免税持ち込み範囲の縮小などの施策も相次いで講じられおり、愛煙家を取り巻く環境は厳しさを増している。

 SSMでは、非喫煙者の権益を保障するため、以前と同様に禁煙Gメンによる巡回取り締まりと厳格な法執行を行っているとし、喫煙者に対して法令遵守を呼びかけた。

マカオの禁煙ゾーンに掲出されるサイネージ(写真:SSM)
マカオの禁煙ゾーンに掲出されるサイネージ(写真:SSM)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月24日、マカオ半島新口岸地区にあるマカオグランプリ博物館でレゴ…
  2.  マカオ政府衛生局は4月23日夜、マカオで「人食いバクテリア」と呼ばれる細菌のひとつ、ビブリオ・バ…
  3.  このほどマカオ政府財政局が公表した最新の財政収支資料によれば、今年(2024年)1〜3月累計の歳…
  4.  今年(2024年)6月23日から7月3日にかけて、マカオでISF(国際学校スポーツ連盟)「ワール…
  5.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)グランドリスボアパレス(上葡京)で4月22日、世界…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun