マカオ居民IDカードの電子化に関する法案が可決…QRコードを使った出入境から先行実施へ

 マカオには日本のマイナンバーカードに相当するマカオ特別行政区居民身分証(マカオ居民IDカード)が存在する。6月20日のマカオ立法会全体会議で「マカオ特別行政区居民身分証制度」の改正法案が可決された。

 このうち、マカオ居民身分証の電子化に関する条文については同月30日に施行となる。従来、マカオ居民がマカオのイミグレーション施設に設置されたセルフ式の通関(出入境)ゲートを利用する際には、カード型の身分証を読み取る必要があったが、今後は政府が運営するスマートフォン用の公共サービスアプリ「一戸通(ワン・アカウント)」を使って出入境用のQRコードを生成し、これをイミグレーション施設の自動出入境ゲートに増設された読み取り機にかざすことで代替できることになる。同様の措置は香港が「非触式e-道(コンタクトレスeチャンネル)」のサービス名で先行実施している。

(左)改正法案に添付された出入境用のQRコードと(右)公共機構または認可私営機構における手続き用の電子身分証のイメージ(資料:マカオ立法会)

 マカオ政府では、居民が新措置によるセルフ通関に適応した段階で、電子身分証の応用範囲を医療機関の受診時、政府が展開する生涯学習発展プランの申し込み及び出席確認時、銀行窓口での手続き時などに拡大する考えとのこと。

 通関以外に関する条文については今年12月15日に施行され、同日から新チップを搭載し、券面デザイン変更や偽造防止策を強化した新バージョンの身分証(実体カード)の発行がスタートする。電子身分証が登場した後も従来通りカード型の身分証は維持される。

 マカオでは、すでに昨年10月から自動車運転免許証と車両保険情報の電子化が実現しており、「一戸通」アプリ上での提示が可能となっている。

「マカオ特別行政区居民身分証制度」改正法案の審議と評決が行われたマカオ立法会全体会議の様子=2023年6月20日(写真:GCS)

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