マカオの2023年5月飲食業・小売業景気調査結果公表…売上額対前年大幅増も対前月実績及び翌月見通しは悪化

 マカオ政府統計調査局は7月18日、今年(2023年)5月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公表した。

 同局の調査に回答した飲食・小売業者の売上額はいずれも前年同月から増。飲食業では48.0%増で、特に西洋料理店(94.7%増)とチャイニーズスタイルの酒楼・飯店(68.4%増)が大きく売上を伸ばした。小売業についても50.6%増で、時計・宝飾品(80.6%増)、革製品(70.5%)、百貨(62.9%増)、成人ファッション(61.1%増)が顕著な増に。

 ただし、前月と比較した売上額では、飲食業が0.3%減、小売業は2.8%減。飲食業では西洋料理店が11.0%減だったのに対し、チャイニーズスタイルの酒楼・飯店は2.1%増、小売業では成人ファッションと革製品がそれぞれが8.2%、4.9%の減だった一方、自動車は13.8%増に。

 5月と比較した6月の見通しについては、飲食業の36%が減、11%が増とし、小売業では40%が減、20%が増とした。

 売上高の前月比の変化を反映した業務展望指数は飲食業が37.7、小売業が39.7で、いずれも基準値となる50を下回り、両業界とも5月に比べて6月の売上が悪化するとみていることを示す結果に。

 なお、調査サンプル数は飲食業が229事業者、小売店が161事業者で、コロナ前2019年の各業界における総売上の前者が53.5%、後者が70.6%を占めるとのこと。

 マカオでは年初のウィズコロナ転換による水際措置の大幅緩和を受けてインバウンド旅客数の急回復が続いており、前年比大幅増の主要因となっている。対前月でのマイナス要因については、インバウンド旅客の消費嗜好の変化のほか、ボーダーを跨ぐ移動が容易になったことでマカオ市民のマカオ以外での消費が増えたとする見方などがある。

マカオ歴史市街地区にあるモンテの砦から望む町並み(資料)=2020年4月本紙撮影

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