マカオ税関がキャビアと化粧品の密輸入事案を相次ぎ摘発

 マカオ税関(マカオ税関)は7月20日、台風警報解除直後のタイミングを狙った違法行為に対する警戒を強める中、近日マカオの2つのイミグレーショ施設の税関検査場で旅客による密輸入事案を2件相次ぎ摘発したと発表。

 税関発表による2件の詳細は下記の通り。

 7月19日正午頃、マカオ国際空港の税関検査場で税関職員が2つの紙箱を携行していた男(出発地未公表、台湾出身)を呼び止め、X線検査及び詳細検査を実施したところ、中から缶入りのキャビア100点=約2万7000人民元(日本円換算:約53万円)相当=が発見されたとのこと。当該物品はワシントン条約決議に基づく輸出入制限の対象となっているが、マカオへの輸入に必要となる証明書やライセンスの類を提示できなかったため、税関として対外貿易法違反で起訴するとともに、経済・科技発展局がワシントン条約違反に関する調べを進めており、押収したキャビアについては食品行政を管轄する市政署が処理にあたっているとした。本件について、違反者に最高10万パタカ(約180万円)の罰金が課される可能性があるという。

マカオ国際空港での税関検査で発見された缶入りキャビア(写真:澳門海關)

 また、7月18日夜には港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設の税関検査場で税関職員が男1人(香港から到着した中国本土出身)を呼び止め、男が携行していたスーツケースを対象にX線検査を実施したところ、疑わしい物品が入っている可能性があったため詳細検査を行い、中から無申告の化粧品約62点=約1万8000香港ドル(約32万円)相当=が見つかったとのこと。男は税関の調べに対し、香港で購入し、贈答用のものだと説明したというが、マカオへの輸入に必要な書類を提示できず、対外貿易法違反で起訴済みとした。

 マカオの各イミグレーション施設にある税関検査場では、旅客自身が手荷物が免税の範囲を超えている、または超えているか分からない場合、その他の税関での諸手続きが必要な場合に赤の窓口、免税範囲を超えていない場合に緑の窓口を通過することを選択する赤緑式レーンが採用されている。

 目下、マカオ警察総局による指揮の下、各保安部門が地域社会の良好な治安環境の維持と保護を目的とした大規模取り締まり作戦「落雷2023」を展開する中、税関でも水際での警戒を強化して臨んでいるとし、市民及び旅客に対して法律に触れることのないよう輸出入にあたり証明書やライセンスが必要な物品に関する規定を必ず先に確認するよう呼びかけた。

港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設での税関検査で発見された化粧品(写真:澳門海關)

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