マカオカジノIR運営MGMチャイナが2023年上半期業績発表…調整後EBITDAがコロナ前上回る、市場シェア15%まで拡大

 マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角で、マカオ半島でMGMマカオ、コタイ地区でMGMコタイの両IR(統合型リゾート)施設を運営するMGMチャイナ社は8月3日、今年第2四半期(2023年4〜6月)及び上半期(1〜6月)の監査前業績を発表。

 同社発出資料によれば、今年上半期の純収入は前年同期比231.2%増の約106億香港ドル(日本円換算:約1949億円)。親会社株主に帰属する純利益は前年同時期のマイナス約24億香港ドル(約442億円)からプラス約8.209億香港ドル(約151億円)に。前年同時期はマイナス約3.367億香港ドル(約62億円)だった調整後EBITDAについても約32億香港ドル(約589億円)のプラスに転換し、コロナ前2019年同時期の103%に達した。また、調整後EBITDAマージンは29.7%で、2019年同時期の27.2%上回ったとのこと。

 今年上半期におけるカジノ粗収益の市場シェアは2019年同時期から5.4ポイント上昇の14.9%となり、内訳はMGMマカオが6.9%、MGMコタイが8.0%。

 今年第2四半期の同社施設の訪問客数は2019年同時期の95%まで、また単日カジノ粗収益は98%まで回復したという。

 今年第2四半期の収入は約58億香港ドル(約1067億円)で、2019年同期の105%。調整後EBITDAについても120%に。調整後EBITDAマージンは30.2%となり、同年第1四半期の29.2%から上昇した。

 今年第2四半期の同社のマス(いわゆる平場、スロットマシン含む)部門のカジノ粗収益は2019年同時期の124%(マカオ市場全体の推計回復率である約88%)に上り、VIP部門については2019年同時期の50%(同約23%)まで回復したとのこと。

 財務状況についても、今年第2四半期末時点の総流動資金は約167億香港ドル(約3072億円)と安定を維持しているとした。

 マカオでは、今年1月から新コンセッション(10年間)がスタート。MGMチャイナは入札評価点が6陣営の中でトップだった。改正カジノ法の施行後、マカオのゲーミングテーブル台数にキャップ制が導入され、新コンセッションスタートに合わせて当局が各事業者への再配分を行った。MGMチャイナはゲーミングテーブル配分において6陣営で唯一、従前から割り当て数が増加した事業者。

 同社の割当テーブル数は従前の552台から36%増の750台となり、業績回復を後押ししているとみられる。同社では、目下オペレーションの最適化を進めており、今年第3四半期までに完了予定とし、今後もテーブルあたり収入の向上を図るためのリソース投下を継続していくとした。

大型カジノIR「MGMコタイ」(資料)=マカオ・コタイ地区にて本紙撮影

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