マカオ、高利貸しに絡む監禁などでオーバーステイの中国本土旅客2人逮捕

 マカオ司法警察局と治安警察局は8月28日に合同会見を開き、マカオで発生した小売がしに絡む監禁などの疑いでオーバーステイの中国本土旅客の男女2人(男40歳、女50歳)を逮捕したと発表。

 治安警察局が同月26日午後1時頃、コタイ地区にある統合型リゾート(IR)併設ホテルの客室で監禁事件が発生したとの通報を受け、現場に駆けつけた警察官が調査及び被疑者2人の身柄確保に成功。調査において、30代の中国本土からの旅客が借金返済が滞ったとして2人に監禁され、同日逃げ出すことに成功したことがわかったとのこと。

警察が公開した証拠品(写真:マカオ治安警察局/司法警察局)

 高利貸しに絡む事案の可能性があったことから、司法警察局にバトンタッチして調査を続けたところ、被害者は前月(7月)31日にマカオ入りした後、被疑者の2人からカジノの種銭として毎日5000香港ドル(日本円換算:約9.3万円)の利息を払う約束で46.8万人民元(約941万円)を借り、合計7万香港ドル(約131万円)を支払ったが、8月14日に元本と利息の返済ができなくなったという。その後しばらく被疑者との連絡はなかったが、23日にコタイ地区のホテル付近で偶然会った際、ホテルの部屋に監禁されたとのこと。監禁中、被疑者から立つことも食事をすることも許されず、その様子を動画に撮られ、さらには殴る蹴るの暴行、テーブルナイフで威嚇しながら15〜20万人民元(約302万〜402万円)を振り込むよう求められ、電話、キャッシュカードを取られて暗証番号も聞き出されるなどし、銀行口座から28万4000人民元(約571万円)が持ち出されたという。26日に隙を見て逃げ出すことに成功し、監禁時間は71.5時間にも及んだ。

 被疑者2人は警察の調べに対し、被害者に対してビジネスとしてカネを貸したと説明し、高利貸しではないと主張しているとのこと。警察では、2人を賭博高利貸し、他人の行動の自由剥奪、脅迫、不法録画、禁止武器、傷害などの罪で検察院送致するとした。

マカオ治安警察局と司法警察局による合同会見の様子(写真:マカオ治安警察局/司法警察局)

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