マカオ、2023年7月の平均ホテル客室稼働率は89.0%…1〜7月累計では79.6%

 マカオは人口約67万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした大規模イベントが数多く開催されるアジア有数の国際観光都市として知られる。

 マカオの年間訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)はコロナ直前の2019年には延べ(以下同)3940万6181人(延べ、以下同)に上ったが、2020年は対前年85.0%減の589万6848人に急落。2021年は対前年30.7%増の770万5943人まで回復したものの、2022年は対前年26.0%減の570万0339人と再び下落に転じ、丸3年にわたって低迷が続いた。

 インバウンド旅客数が低迷した主要因として、2020年1月下旬から新型コロナ防疫対策の一環として入境制限を含む厳格な水際措置が講じられたことが挙げられる。ただし、2022年12月初旬に中国が事実上のウィズコロナへ急転換し、マカオも追随。今年(2023年)1月8日には水際措置が大幅緩和され、以降インバウンド旅客数は急回復している。

 今年7月のインバウンド旅客数は前年同月比281.8倍増、前月比24.9%増の275万9544人、今年1〜7月累計では前年同期比314.6%増の1440万5421人。ここまで4月終了時点で昨年通期を超過、そこからわずか1ヶ月の5月終了時点で昨年の2倍に達し、さらに6月終了時点で1千万人の大台を突破している状況。

 マカオ政府統計調査局は8月29日、今年7月のホテル宿泊客関連統計を公表。同月の平均ホテル客室稼働率は89.0%で、前年同月から50.2ポイント(pt)上昇、前月からも4.7pt上昇。

 ホテル等級別では、5つ星が前年同月から71.1pt上昇の92.1%、4つ星が25.1pt上昇の85.7%、3つ星が0.3pt下落の81.0%、2つ星ホテルが6.8pt上昇の93.1%、エコノミー宿泊施設が22.7pt上昇の79.2%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が31.0%増、4つ星ホテルが23.5%増、3つ星ホテルが149.7%増、2つ星ホテルが4.2%増、エコノミー宿泊施設が11.4%増だった点も考慮する必要がある。

 今年7月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同時期から17軒増の132軒、供給客室数は37.3%増の4.34万室あり、このうち5つ星ホテルが4軒増の35軒で、供給客室数は全体の59.2%を占める2.58万室。

 今年7月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比335.0%増の127.9万人。このうち中国本土からの旅客が318.0%増の94.6万人、香港からの旅客が1257.3%増の20.0万人、台湾からの旅客が1895.2%増の2.7万人。一方、コロナ禍インバウンド低迷期にステイケーション需要等で稼働率の下支えをした地元マカオ客は5.0%減の4.6万人。前年同月はゼロだった日本人旅客は約4300人。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から0.7日短い1.6日に。

 今年1〜7月累計の平均客室稼働率は前年同時期から41.8pt上昇の79.6%、ホテル宿泊客数は150.6%増の732.4万人、平均滞在時間は0.2日短い1.7日。

大型統合型リゾート(IR)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の町並み(写真:MGTO)

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