マカオ税関が運び屋への密輸品供給拠点を摘発…3千点超のコスメ製品押収

 澳門海關(マカオ税関)は9月7日、同月6日夜にマカオ半島北部の祐漢エリアに開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向けの商品供給拠点2ヶ所を摘発したと発表。

 マカオ半島北部は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーションに近く、以前からマカオと中国本土の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘されており、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている。

 税関によれば、先にマカオ半島北部にある路面店が運び屋に商品を供給する拠点になっている可能性があるとの通報を受け、現場へ職員を派遣して調査に着手したとのこと。6日夜、運び屋とみられる女1人が当該店舗を出た後に追跡を開始し、この女が徒歩で關閘イミグレーションから中国本土側へ向けて出境したため、出境フロアにあるマカオ側の税関検査場で手荷物検査を行ったところ、まとまった量のコスメティック製品が見つかり、女は税関の調べに対して当該店舗でピックアップしたこと、また運搬協力費名目で報酬を得て中国本土側へ持ち出そうとしたと運び屋行為を認めたという。

 これを受け、税関では速やかに当該店舗に対する摘発を実施。現場から大量のコスメ用品が発見されたほか、隣接する店舗でも同様の状況が見つかり、コスメ製品の倉庫として使われている状況が確認できたとし、両店舗から輸出に必要な書類のないコスメ製品約3200点、市価約100万パタカ(日本円換算:約1800万円)相当を押収し、責任者と従業員の女各1人を拘束したとのこと。

摘発の対象となった運び屋向け商品供給拠点の店舗(写真:澳門海關)

 税関では、運び屋の女(中国本土出身)と商品供給拠点の責任者(中国本土出身)及びスタッフの女(マカオ人)の3人を対外貿易法違反に基づき行政違法手続きに入ると同時に、中国本土出身の2人については海外労働者雇用法違反で労工事務局が調査を引き継ぎ、その後は治安警察局の入管部門に引き渡す予定とした。

 目下、マカオ警察総局による指揮の下、各保安部門が地域社会の良好な治安環境の維持と保護を目的とした大規模取り締まり作戦「落雷2023」を展開する中、税関でも水際での警戒を強化して臨んでいるとし、広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう呼びかけ、今後も全力で摘発を行うとした。

摘発を受けた密輸品供給拠点の関係者ら(写真:澳門海關)

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