マカオ税関が運び屋への密輸品供給拠点を摘発…中国の高級白酒102本押収

 澳門海關(マカオ税関)は9月13日、同月12日夜にマカオ半島北部のショッピングセンター内に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向けの商品供給拠点1ヶ所を摘発したと発表。

 マカオ半島北部は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーションに近く、以前からマカオと中国本土の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘されており、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っているエリアにあたる。

摘発の対象となった運び屋向け商品供給拠点の店舗から見つかった中国の高級白酒(写真:澳門海關)

 税関によれば、マカオ半島北部のショッピングセンター内の店舗が運び屋に商品を供給する拠点になっている可能性があるとの通報を受け、現場へ職員を派遣して内偵調査を進めていたとのこと。12日夜、運び屋とみられる男1人が当該店舗を出た後に追跡したところ、男は徒歩で關閘イミグレーションから中国本土側へ向けて出境。出境フロアにあるマカオ側の税関検査場で手荷物検査を実施した結果、まとまった量の中国の高級白酒が見つかったとのこと。男は税関の調べに対し、発見された物品を当該店舗でピックアップしたこと、また報酬を得てそれを中国本土側へ持ち出す運び屋行為に従事していたことを認めたという。

 その後、税関は時機を見計らって当該店舗に対する摘発を実施。現場から中国の高級白酒102本、市価約22万パタカ(日本円換算:約400万円)相当を押収するとともに、責任者の男1人を拘束したとのこと。

摘発の対象となった運び屋向け商品供給拠点の店舗(写真:澳門海關)

 税関では、運び屋の男と商品供給拠点の責任者(いずれも中国本土出身)の2人を対外貿易法違反に基づき行政違法手続きに入ると同時に、運び屋の男については海外労働者雇用法違反で労工事務局が並行して調査を進め、2人の身柄は治安警察局の入管部門に引き渡す予定とした。このほか、当該店舗は営業許可証明書類を有していなかったことも発覚し、財政局による調査も行われるとのこと。

 目下、マカオ警察総局による指揮の下、各保安部門が地域社会の良好な治安環境の維持と保護を目的とした大規模取り締まり作戦「落雷2023」を展開する中、税関でも水際での警戒を強化して臨んでいるとし、広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう呼びかけ、今後も全力で摘発を行うとした。

調査のため密輸品供給拠点の責任者を税関本部へ移送する際の様子(写真:澳門海關)

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