マカオの2023年7月飲食業・小売業景気調査結果公表…売上額対前年大幅増、翌月見通しは飲食業で悪化

 マカオ政府統計調査局は9月18日、今年(2023年)7月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公表した。

 同局の調査に回答した飲食・小売業者の売上額はいずれも前年同月から増。前年同月はマカオ域内で新型コロナのアウトブレイクが発生し、準ロックダウン措置が講じられていたという特殊要因がある。飲食業では3.5倍増で、特に西洋料理店(7.4倍増)、日韓料理店(4.6倍増)、チャイニーズスタイルの酒楼・飯店(3.6倍増)が大きく売上を伸ばした。小売業についても4.6倍増で、革製品(30.8倍増)、時計・宝飾品(27.1倍増)、百貨(11.9倍増)、化粧品・衛生用品(10.7倍増)が顕著な増に。一方、スーパーマーケットは26.5%減。

 前月と比較した売上額では、飲食業が10.9%増、小売業についても1.6%増。飲食業ではチャイニーズスタイルの酒楼・飯店、茶餐廳(カフェレストラン)・粥麺がそれぞれ10.4%、8.7%増、小売業では化粧品・衛生用品、成人ファッションがそれぞれが15.4%、8.9%増で、自動車は9.8%減に。

 7月と比較した8月の見通しについては、飲食業の64%が横ばい、20%が減とし、小売業では39%が増、10%が減とした。なお、飲食業のうちチャイニーズスタイルの酒楼・飯店の23%が下落、小売業のうち革製品、化粧品・衛生用品、百貨のそれぞれ60%、35%、50%が上昇と回答。

 売上高の前月比の変化を反映した業務展望指数は飲食業が47.6で、基準値となる50を下回り、6月に比べて7月の売上が悪化するとみていることを示す結果に。一方、小売業は基準値を上回る64.4だった。

 なお、調査サンプル数は飲食業が229事業者、小売店が161事業者で、コロナ前2019年の各業界における総売上の前者が53.5%、後者が70.6%を占めるとのこと。

 マカオでは年初のウィズコロナ転換による水際措置の大幅緩和を受けてインバウンド旅客数の急回復が続いており、前年比プラスの主要因となっている。正、アフターコロナでは、インバウンド旅客の消費嗜好の変化のほか、ボーダーを跨ぐ移動が容易になったことでマカオ市民のマカオ以外での消費が増えたとする見方もある。

マカオ歴史市街地区にあるモンテの砦から望む町並み(資料)=2020年4月本紙撮影

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