マカオで今年10人目のツツガムシ病感染例確認…患者は広州の公園訪問歴ある71歳男性

 マカオ政府衛生局(SSM)は10月20日夜、マカオで感染症のツツガムシ(恙虫)病とみられる患者が新たに1人報告されたと発表。

 患者はリタイア生活を送る慢性疾患を持つ香港人の男性(71)で、10月15日に咳と痰の症状が現れ医療機関を受診。10月18日には高熱と胸の痛みが出現したため、マカオの私立総合病院・鏡湖醫院の救急外来を受診するに至り、即入院となった。同院での検査で、左ふくらはぎに豆粒大のかさぶたが見つかったほか、胸部X線検査で両肺が炎症を起こしていることもわかり、症状などからツツガムシ病及び重症肺炎などと臨床診断されたとのこと。患者は当初重症だったが、治療を経て容体は好転したという。

 患者の家人はSSMの聞き取り調査に対し、患者はマカオで郊外型公園を訪れたり、ハイキングへ行くことはなかったが、10月11日に広東省広州市の公園を訪れ、草むらの中を歩く機会があったと回答。なお、患者の家人及び同行者に類似の症状は出ていないとのこと。

 マカオでツツガムシ病の感染者が確認されるのは今年10人目で、10月に入って以来では2人目。すべて5月中旬以降の事案で、輸入例は今回のケースを含めてわずか2件にとどまる。本来、マカオで輸入性ではないツツガムシ病の感染例が見つかるのは極めて稀なケースであるものの、昨年から今年にかけては域内での感染例が主となっている。

 今年の輸入性ではない感染例について、大半がアクティビティ等でコロアン島の山や公園などの緑地を訪れ、草むらの中で活動していたという共通点がある。SSMでは、マカオ内外に関わらず、公園の草むらや郊外で野外活動を行う際に適切な予防対策を講じるよう呼びかけている。

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)=本紙撮影

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