マカオ税関が運び屋への密輸品供給拠点摘発…約1860万円相当の高級ブランド品押収

 澳門海關(マカオ税関)は10月26日、同月25日にマカオ半島北部・關閘エリアにあるビルの一角に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向けの商品供給拠点1ヶ所を摘発したと発表。

 現場となった關閘エリアは中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーションに近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘されており、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所。

税関が発見、押収した高級ブランド品(写真:澳門海關)

 税関によれば、事前に通報があり、現場に職員を派遣して内偵調査を行っていたとのこと。25日午後、運び屋とみられる人物2人が調査対象のテナントを出た後に追跡を開始。2人は徒歩で關閘イミグレーションビルに入り、マカオ側から中国本土側へ向けて出境したため、出境フロアにある税関検査場で呼び止め手荷物検査を実施したところ、2人の所持品の中からまとまった量の有名ブランドの革ベルト及び腕時計が発見されるに至り、2人はマカオで就労する中国本土出身の男とマカオ人の女で、税関の調べに対して物品は上述の場所でピックアップしたもので、運搬協力費名目で報酬を得て中国本土側へ持ち出そうとしたなどと説明。運び屋行為を認めたという。

 これを受け、税関ではすぐに調査対象のテナントに対する摘発に着手。現場にいた責任者の女(中国本土出身)の身柄を拘束するとともに、高級ブランド品(衣料、革ベルト、腕時計)計255点、市価約100万パタカ(日本円換算:約1860万円)相当を発見。発見した物品について、すべて輸出に必要な書類がないものだったとのこと。

摘発の対象となった運び屋向け密輸品供給拠点(写真:澳門海關)

 本件に絡む3人の年齢は29〜40歳。税関では、現場の責任者の女が運び屋を組織して高級品の密輸出活動を行ったとして対外貿易法違反で起訴し、発見に至った商品を押収するとともに、中国本土出身の2人については雇用関連法規にも触れるとして労工事務局の調査を受け、治安警察局の入管部門に身柄を引き渡し済みとした。

 税関では、広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう累次の呼びかけを行うと同時に、今後も適宜法執行策を調整しながら全力を挙げて運び屋による密輸の摘発を進めるとした。

対外貿易法違反で起訴された運び屋向けの密輸品供給拠点の責任者の女(写真:澳門海關)

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