マカオ、10月カジノ売上は約3663億円…コロナ禍以降の単月最多更新

 マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は11月1日、今年(2023年)10月の月次カジノ売上(粗収益、Gross Gaming Revenue=GGR)統計を公表。マカオのツーリズム業界とって10月は国慶節大型連休がある繁忙期にあたる。

 今年10月のカジノ売上は前年同月から400.2%増の195.01億パタカ(日本円換算:約3663億円)で、対前月でも30.6%増。新型コロナの影響が生じた2020年2月以降の最多を2ヶ月ぶりに更新した。

 10月の営業日は31日間で、前月との比較で1日多い。10月の1営業日あたりの平均売上は前月を1.31億パタカ(約24.6億円)上回る6.29億パタカ(約118.2億円)に。

 マカオは長くゼロコロナ政策を維持してきたため、インバウンド旅客数の低迷がカジノ売上にも影響した。しかし、昨年12月から段階的に事実上のウィズコロナ政策へ転換され、今年1月8日からは水際措置が大幅緩和されるに至った。以降、インバウンド旅客数が急回復し、その勢いを持続する状況で、カジノ売上にもプラスに作用しているとみられる。

 今年1〜10月累計のカジノ売上は前年同時期から315.6%増の1484.49億パタカ(約2兆7883億円)。変動率は前月時点から10.3ポイント拡大。ただし、コロナ前の2019年同時期からは39.8%減となるが、今年に入って以降は乖離幅が縮小傾向にある。10月単月では同26.3%減。

 なお、今年のカジノ売上は4月終了時点ですでに前年通期の実績を上回っており、10月終了時点で政府が財政予算で設定した年間カジノ売上の1300億パタカ(約2兆4418億円)も達成した。今後、年末までにコロナ前との比較でどの程度まで回復するかが注目される。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の夜景(資料)=2020年7月本紙撮影

【資料1】2023年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:115.80億パタカ=約2175億円(82.5%減)
・2月:103.24億パタカ=約1939億円(33.1%増)
・3月:127.38億パタカ=約2392億円(246.9%増)
・4月:147.22億パタカ=約2765億円(449.9%増)
・5月:155.65億パタカ=約2923億円(365.9%増)
・6月:152.07億パタカ=約2856億円(513.9%増)
・7月:166.62億パタカ=約3229億円(4082.9%増)
・8月:172.13億パタカ=約3233億円(686.4%増)
・9月:149.37億パタカ=約2805億円(404.2%増)
・10月:195.01億パタカ=約3663億円(400.2%増)
>1〜10月累計:1484.49億パタカ=約2兆7883億円(315.6%増)

【資料2】2013年〜2022年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億パタカ=約6兆7755億円(18.6%増)*ピーク時
・2014年:3515.21億パタカ=約6兆6022億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億パタカ=約4兆3356億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億パタカ=約4兆1923億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億パタカ=約4兆9911億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億パタカ=約5兆6880億円(14.0%増)
・2019年:2924.55億パタカ=約5兆4928億円(3.4%減)
・2020年:604.41億パタカ=約1兆1352億円(79.3%減)
・2021年:868.63億パタカ=約1兆6314億円(43.7%増)
・2022年:421.98億パタカ=約7926億円(51.4%減)

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