マカオ、模擬紙幣を使った両替詐欺で中国本土出身の男逮捕

 マカオ司法警察局は11月1日、両替相手に対して「練功券」と呼ばれる銀行員のトレーニング用の模擬紙幣を渡したとして中国本土出身の自称商人の男(32)を相当巨額詐欺罪で逮捕、検察院送致したと発表。

 同局によれば、被害者はギャンブル目的でマカオ入りしていた中国本土からの旅客で、カジノでプレイするため50万香港ドル(日本円換算:約960万円)の現金を用意しようと考え、チャットアプリのグループを通じて両替相手と連絡を取り、48万2500人民元と両替をすることで合意し、コタイ地区の統合型リゾート併設ホテルの客室で会って取引することになったという。しかし、取引の際、相手の指定先へ人民元を入金した後、相手から渡された香港ドルの札束を5セットを確認したところ、すべての紙幣に練功券の文字があったため、すぐに相手を取り押さえ、警察に通報したと説明したとのこと。

 被疑者は警察の調べに対し、チャットアプリで知り合った人物からマカオで他人との貨幣両替を行うよう指示を受け、成功報酬として5000香港ドル(約9.6万円)をもらえる約束だったが、模擬紙幣とは知らなかったなどと供述。被疑者は逮捕時に600枚の練功券を所持していたという。

 練功券は通貨としての価値がなく、一般に流通しているものではない。しかしながら、マカオではこれを用いた詐欺事件がしばしば発生している。

模擬紙幣を使った両替詐欺事件の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

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