マカオ、カジノ従業員が地元夫婦と共謀…会員カードのポイント不正登録しギフト詐取

 マカオの多くのカジノ施設が航空会社のマイレージ制度と似た会員プログラムを提供しており、入会することでテーブルゲームやスロットマシンでのベット額などに応じてポイントが貯まり、貯まったポイントをホテルの無料宿泊やフェリーチケットなどのギフトと交換することができる。

 極めて稀なケースではあるが、これに絡む不正も発生している。

 マカオ司法警察局は3月8日、カジノ会員カードのポイントを不正な手段で加算したとしてコタイ地区にあるIR(統合型リゾート)併設カジノの元従業員(ピットボス職)の男(51)、不正な手段で取得したポイントを使ってギフトとと交換したとしてマカオ人の夫婦(夫59、妻58)をそれぞれサイバー詐欺罪で逮捕、検察院送致したほか、少なくとも2人の仲間が逃走中で行方を追っていると発表。

 同局によれば、昨年(2023年)11月30日にカジノ施設から「(当時在職中)ピットボス職の従業員と客が共謀し、電子データを改ざんしてポイントを偽造する方法で27万9000香港ドル(日本円換算:約528万円)相当のギフトを詐取した」との通報が寄せられたとのこと。

 通報を受けた同局が捜査に着手し、ピットボス職の男が勤務中に職務上の立場を利用してゲーミングテーブルにいた夫婦及び仲間のポイントを登録する際に平均ベット時間と金額の記録を虚偽入力し、偽造されたポイントでフェリーチケット、フードバウチャー、プロモーションチップ、キャッシュリベート、ホテル宿泊、品物との交換が行われていたことが判明。虚偽入力が行われた回数については、昨年10月15日から11月19日までの間、少なくとも130回に上ったという。

 その後、3月6日に同局がピットボス職の男と共謀者のマカオ人夫婦をそれぞれ自宅で逮捕。ピットボス職の男の自宅からは本件に絡み得たとみられる現金1万香港ドル(約19万円)、夫婦の自宅からはポイント交換で得たとみられる約3万0350香港ドル(約57万円)相当の品物が発見されたとのこと。

 なお、3人はいずれも取り調べ及び関連資料提供への協力を拒否しているという。

警察が公開した証拠品(写真:マカオ司法警察局)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は5月3日、同月1日にタイパ島のマンションの一室で男女の争う声がするとの近隣住民…
  2.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…
  3.  澳門海關(マカオ税関)は5月3日、前夜マカオ半島北部・台山エリアにある工業ビル、新城巿工業大廈内…
  4.  世界保健機関(WHO)は毎年5月5日を「世界手指衛生の日」と、グローバルな啓発活動を展開。マカオ…
  5.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun