マカオ、2024年8月の新規住宅ローン承認額は前月から0.6%減…延滞率は4.3%まで上昇

 マカオ金融管理局が10月10日に公表した今年(2024年)8月の住宅及び商業物件向けローン関連統計によれば、対前月の新規ローン承認額は住宅不動産向けが3ヶ月ぶり減、商業不動産向けが3ヶ月連続減だったとのこと。

 今年8月の新規住宅ローン貸付承認総額は前月から0.6%減の12.6億パタカ(日本円換算:約234億円)。このうち、マカオ居民(=マカオ居民IDカード保有者)向けが前月から0.8%増の12.4億パタカ(約230億円)で、全体の98.4%を占めた。非居民向けについては46.8%減の2000万パタカ(約3.7億円)に。直近3ヶ月でみると、今年6〜8月の新規住宅ローン貸付承認額の月次平均値は12.4億パタカ(約230億円)で、今年5〜7月との比較で6.7%増。

 新規商業物件向けローン貸付承認額は50.3%減の9.5億パタカ(約177億円)。このうち、マカオ居民向けが前月から50.5%減の9.4億パタカ(約175億円)で、全体の98.5%を占めた。非居民向けについても29.1%減の1400万パタカ(約2.6億円)。直近3ヶ月でみると、今年6〜8月の月次平均値は16.9億パタカ(約314億円)で、今年5〜7月との比較で27.6%減。

 今年8月末時点の住宅ローン融資残高は前月から0.2%減、前年同月から4.0%減となる2230.7億パタカ(約4兆1443億円)。マカオ居民が占める割合は95.7%。マカオ居民向けの住宅ローン融資残高は前月から0.2%減、非居民向けについては0.5%減。

 商業物件向けローン融資残高は期内に複数の大口融資が完済されたことを受けて前月から0.4%減、前年同月から4.7%減となる1529.9億パタカ(約2兆8424億円)。マカオ居民が占める割合は93.4%。商業物件ローン融資残高は前月からマカオ居民向けが0.4%減、非居民向けが0.1%減。

 今年8月末締めの住宅ローン延滞率は4.3%で、前月から0.1ポイント上昇、前年同月から3.6ポイント上昇。商業物件向けローン延滞率は3.8%で、前月から横ばい、前年同月から1.9ポイント上昇。

 マカオでは昨年1月初旬のウィズコロナ転換を機にインバウンド市場の回復が進み、経済波及効果が期待されている。一方で、不動産市場については高金利が続く状況と経済の先行き不透明感といった懸念材料も存在。しばらくの間、取引件数、平均平米単価とも振るわない状況が続いていた。今年の年初からは不動産価格抑制策の一部緩和もスタートしたが、目立ったかたちでのポジティブな影響は見受けられず、4月20日から不動産価格加熱抑制策が全面撤廃すされるに至り、以降の動向が注目されたが、すでに短期的な効果を消化したとの見方もある。

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