マカオの2024年10月貨幣・金融統計公表…銀行の不良債権比率が5.4%まで上昇

 マカオ政府金融管理局は12月3日、今年(2024年)10月の貨幣・金融統計を公表。内容のサマリーは下記の通り。

【マネーサプライ】
 流通貨幣が前月から0.1%、通知預金が2.5%のそれぞれ増となり、M1は1.8%上昇。また、準通貨負債は0.8%増。M1及び準貨幣負債を含む広義貨幣供給量M2は0.8%上昇し、金額は7828億マカオパタカ(日本円換算:約14兆5870億円)に。前年同月との比較では、M1が0.9%、M2が7.5%のそれぞれ増。M2に占める通貨別の比率はマカオパタカが33.0%、香港ドルが45.4%、人民元が6.9%、米ドルが13.4%。

【預金】
 マカオ居民(マカオ居留権保有者)による預金残高は前月から0.7%上昇の7613億マカオパタカ(約14兆1863億円)、非居民による預金残高についても1.4%上昇の3172億マカオパタカ(約5兆9108億円)、公共部門の銀行システムへの預金残高は1.2%減の1978億マカオパタカ(約3兆6859億円)となり、これらを総合して計算した銀行システムの預金残高は0.6%増の1兆2763億マカオパタカ(約23兆7830億円)で2ヶ月連続増。このうち、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの占める割合はそれぞれ20.1%、44.8%、8.5%、25.0%。

【融資】
 地元民間部門への融資は前月から1.1%減の5186億マカオパタカ(約9兆6638億円)。対外民間部門への融資は4.7%下落の5026億マカオパタカ(約9兆3656億円)。民間部門へ融資額は合計で2.4%減の1兆0212億マカオパタカ(約19兆0294億円)となり、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの比率はそれぞれ22.0%、44.2%、11.2%、18.8%。

【預貸率/不良債権比率】
 銀行のマカオ居民に対する預貸率は今年10月末時点で前月末から0.2ポイント下落の54.1%。非マカオ居民含む総体預貸率は2.5ポイント下落の80.0%。1ヶ月及び3ヶ月ベース計算による流動資産対負債比率はそれぞれ62.0%、56.6%水準。このほか、不良債権比率は0.2ポイント上昇の5.4%に。このところ不良債権比率は上昇が続いている。

マカオ金融管理局ビル(資料)=2020年7月本紙撮影

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