マカオ気象台が2025年の台風接近数を平年並みから多めの5〜8個と予測

 マカオでは台風による災害がしばしば発生している。2017年と2018年に連続して超大型台風の襲来を受け、人的、物的に大きな被害が発生したことは記憶に新しく、防災対策が強化されるきっかけとなった。

 マカオ地球物理気象局(気象台)は3月22日、今年(2025年)マカオに影響を与える台風の接近数と雨季(4〜9月)の気温及び降雨量予測を発表。

 同局では、最新の海洋観測及び予報データから「ラニーニャ」状態が徐々の緩和が続き、春の終わりにかけてENSO(エルニーニョ南方振動)中性状態に戻るとみられ、これによって赤道大西洋中部及び東部の表面海水温度が正常状態に回復するとの見方を示した上、今年の台風シーズンは6月以降に開始、10月以降に終結し、マカオへ影響を与える台風の予想接近数は平年並みから多めの5〜8個、強台風級以上の勢力のものの影響を受けることもあるだろうとした。また、今年の雨季の気温は平年並みからやや高め、累計降雨量は平年並みと予想されるが、いわゆるゲリラ豪雨が出現する可能性を指摘。

 このほか、昨年のレビューとして、地球温暖化の趨勢下、昨年(2024年)のマカオの年平均気温は23.6℃で、2019年と並び1952年以来で最も温暖な一年となり、年末にかけて「ラニーニャ」状態に発展したことで、北西太平洋で11月に4つの台風が出現する珍しい現象がみられ、そのうち3つが南シナ海へ侵入してマカオに影響を与えたことを挙げた。11月に3つの台風がマカオに影響を与えたのは観測史上初めてのことという。

 マカオで風雨シーズンが近づく中、同局は公衆に対して早めに暴風及び防水対策を講じるとともに、同局の最新天気予報に留意するよう呼びかけた。

マカオ政府地球物理気象局(資料)=タイパ島大潭山にて本紙撮影

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