マカオ政府、管理コスト抑制も福祉は維持—タム経済財政担当相

中国の建国記念日にあたる国慶節連休のあった10月だが、同月のカジノ売上の減少幅は過去4ヶ月を上回る下落率となる見通し。マカオ政府経済財政司のフランシス・タム(譚伯源)司長(経済財政担当相)は11月3日に地元メディアの取材に応じた際、10月のカジノ売上は11月4日に公表される予定だが、下げ幅は市場の予想に近い前年同月比20%超になるとの見方を示した。

タム経済財政担当相によると、2013年の財政黒字が900億パタカ以上あり、ゲーミング税収の減少が政府歳出へ与える影響はそれほど大きくないとした。また、歳入の増減に関わらず、コスト抑制を実施することは当然であり、すでに行政長官も歳出の内容について慎重な判断を下すことを認めたという。ただし、コスト抑制の対象はあくまで管理コストで、福祉及び民生向けの歳出を減らすことは困難との認識。公務員給与についても、インフレ率や市場の給与水準などの要素を考慮して判断するとした。

2014年まで7年連続で実施している市民への現金支給制度の継続については、明言を避けたものの、大幅な歳入減がない場合にはこれまで通りとなるだろうとコメントしている。

マカオでは今年6月以降、月次カジノ売上の前年割れが続いており、マカオの税収の約9割を占めるゲーミング税への影響が懸念されている。なお、上半期のプラス分があることから、通年では前年並みとなると見られる。

11月3日、地元メディアの取材に応じるフランシス・タム経済財政担当相(写真:GCS 新聞局)

11月3日、地元メディアの取材に応じるフランシス・タム経済財政担当相(写真:GCS 新聞局)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ歴史市街地区の中心に位置する新馬路に面して建つ「新中央ホテル(Hotel Central)…
  2.  マカオでは、「外僱」と呼ばれる海外(中国本土・香港・台湾を含む)からの労働者が多く就労しており、…
  3.  近年、マカオでは新興埋立地のコタイ地区及びマカオ半島の新口岸地区を中心に大型カジノIR(統合型リ…
  4.  マカオ政府統計・センサス局は4月29日、今年(2024年)3月の商品貿易統計を公表。  今…
  5.  バレーボールの国際大会「女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)2024」が(2024年)5…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun