中国の複数大学で「反クリスマス」の動き=「伝統文化守れ」などスローガン

クリスマスイブにあたる12月24日夜、中国本土の複数の大学で、学校側や学生らの主導による「反クリスマス」の動きがみられたという。中国本土でもクリスマスを「イベント」として仲間や恋人、家族と一緒に祝賀するのが一般的になりつつあるはずだが、一体何があったのだろうか。

香港の有力日刊紙「アップルデイリー」が12月25日付電子版で報じた。中国・陝西省西安市にある西北大学現代学院では、24日夜になってキャンパスを閉鎖し、学生の外出を禁止した上、全学生に対して中国伝統文化紹介ビデオの上演会に参加するよう強制したという。

学生らがぼやきの声とともにSNSなどに投稿した内容によると、講義が終わった後、教員らが教室のドアの前に立ち、クリスマスイベントに参加しようとする者をチェックしていたという。また、午後7時に校門が閉鎖され、特別な理由がない限り外出禁止としたとのこと。学内には「西洋文化の拡張を防御せよ」や「中華民族の伝統文化を堅持せよ」などとしたスローガンが多数掲出されていたのも確認されている。大学側は「民族意識発揚のため」と説明したそうだ。

このほか、湖南省長沙市の大学では、中国伝統衣装を着た学生らが街頭で「反クリスマス」を訴え、浙江省温州市では、市教育局が各学校に対して「学内でいかなるクリスマス関連イベントも開催しない」よう求める通達を出したという。

中国本土では、クリスマスは平日にあたる。中国でも、特別行政区の香港とマカオでは、西洋価値観に基づく返還前からの祝祭日を継承しており、クリスマスが祝日となっている。

マカオのクリスマスデコレーション(資料写真)=セナド広場

マカオのクリスマスデコレーション(資料写真)=セナド広場

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