香港とマカオ結ぶ夢の架け橋、香港側で工事遅延=2016年開通予定、時期迫る

香港と広東省珠海市、マカオの三地をつなぐ「港珠澳大橋(ホンコン・ジュハイ・マカオ・ブリッジ)」の建設工事が2016年の開通を目指して進められている。プロジェクトのうち、大橋本体から香港、珠海、マカオへ接続する連接道路及び通関施設については各地がそれぞれ建設を担当するが、香港担当部分で工事の遅れが発生していることが明らかになった。

マカオの政府系放送局TDMが1月16日午後のラジオニュースで報じた。同日、香港特別行政区政府運輸・住宅局のアンソニー・チェン局長が香港立法会で答弁を行い、港珠澳大橋の香港連接道路、通関施設の工事進捗状況について、当初予定していた2015年末の完成予定に間に合わないとの見通しを示した。チェン局長は、環境アセス裁判による着工時期の1年遅延、建築物資供給の不安定、建設労働力の不足、香港国際空港の高さ制限、地質条件などの複合的要因によるものとし、現時点で竣工時期のメドも立っていないという。

港珠澳大橋は香港と珠海、マカオの間のY字型のルートおよそ50キロメートルを海上橋と海底トンネルで結ぶ大型インフラ整備プロジェクト。1980年代に夢の架け橋として構想され、21世紀に入って実現化に向けた準備が加速し、2009年に着工した。自動車専用道路で、鉄道用の設備はない。現在、香港とマカオの間を移動する際、高速フェリーで約1時間かかるが、大橋の開通後は車で約30分程度となり、大幅な所要時間短縮効果が見込まれている。

港珠澳大橋(資料)=2015年1月、香港国際空港付近の海上より本紙撮影

港珠澳大橋(資料)=2015年1月、香港国際空港付近の海上より本紙撮影

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