モンゴル、カジノ合法化へ前向き=鉱業生産依存型経済脱却狙い

モンゴル政府が近く大型カジノ開設に関する法案の国会審議を行う考えであることが明らかになった。カジノを核に海外からの旅客を呼び込むことで経済活性化を図り、鉱業生産依存型経済からの脱却を目指す狙いという。

マカオの日刊紙「澳門日報」が2月19日付紙面でロイター電を引用して報じた。モンゴル政府はすでに2月12日の第1次会議で民間資本誘致により2つのカジノを建設するとう内容の草案を批准したという。この際、ベトナムや韓国などのアジア諸国が大型カジノ建設を通じて、特に中国からのカジノ客の呼び込みに成功し、消費及びエンターテイメント産業の活性化が経済発展につながっているとする意見が出されたという。

草案の作成に関わったモンゴル政府関係者は、ロシア、中国、日本はいずれも世界的ギャンブル大国であるとし、このうち日本とロシアからはビザなし待遇国、中国についても公務パスポートはビザなしでのモンゴル渡航が可能という。この関係者によると、中国の習政権によるコントロールの影響でマカオのカジノ売上が停滞する中、マカオから中国本土旅客の奪取を図りたいという目論みもあるとのこと。

草案では具体的な建設場所に言及していないとされるが、政府関係者によると、日本企業が建設を手がける首都ウランバートルからおよそ50キロ南西に位置するの新空港が候補となり得るという。

モンゴルは地理的に中国北部に近いことから、韓国、極東のカジノ開発を急ぐロシア、今後カジノ合法化を予定している日本との間で中国北方からの旅客争奪戦が繰り広げる可能性が高い。このうち、韓国の済州島は中国本土からの旅客に対してビザ免除待遇を実施している。一方、マカオは中国南部に位置し、中国南方からの旅客が大半を占めることから、北アジアのカジノと直接的に競合しないとする見方もある。

三菱商事と千代田化工建設のJVが建設工事を受注した新ウランバートル国際空港の完成予想イメージ(写真:三菱商事)

三菱商事と千代田化工建設のJVが建設工事を受注した新ウランバートル国際空港の完成予想イメージ(写真:三菱商事)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ歴史市街地区の中心に位置する新馬路に面して建つ「新中央ホテル(Hotel Central)…
  2.  マカオでは、「外僱」と呼ばれる海外(中国本土・香港・台湾を含む)からの労働者が多く就労しており、…
  3.  近年、マカオでは新興埋立地のコタイ地区及びマカオ半島の新口岸地区を中心に大型カジノIR(統合型リ…
  4.  マカオ政府統計・センサス局は4月29日、今年(2024年)3月の商品貿易統計を公表。  今…
  5.  バレーボールの国際大会「女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)2024」が(2024年)5…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun