香港で台湾への移民ブーム、年間7千件超=14年、返還後最高

昨年(2014年)、香港人の米国やカナダといった海外への移民数が6900人となり、1997年に香港が英国から中国返還されて以降で最低を記録したという。実は、この数字には「台湾」が含まれていない。昨年の香港人による台湾居留権獲得数は7000件を超え、返還後最高を記録したことが明らかとなった。

香港の日刊紙「アップルデイリー」が2月23日付紙面で台湾移民署のデータを元に報じた内容によると、昨年の香港・マカオ人による投資移民制度などを活用した台湾の居留権獲得件数は前年比62.3%増の7498件に上り、このうち9割以上を香港人が占めたという。

香港の移民コンサルタントは同紙の取材に対し、米国、カナダ、オーストラリアといった伝統的な移民先については、ここ10年の間で中国本土からの投資移民が激増していることから、最低投資金額のハードルを上げたり、受け入れ人数を制限するなどの対応を行っており、現実的に移民が難しくなっていると指摘した。

一方、台湾では、投資移民の受け入れに積極的という。カナダへの投資移民の場合、最低投資金額として約1240万香港ドル(日本円換算:約1億9000万円)が必要だが、台湾では約244万香港ドル(約3700万円)と、およそ5分の1となっている。初期投資負担が少なく、生活費も香港と比較して安い上、生活環境も香港とほぼ同じであることから、香港の中産階級やリタイヤ世代の間で投資移民制度を利用した台湾居留権の獲得がブームになっているとのこと。また、近年、香港で政治、社会状況に対する不安が高まっている状況も背景にあるという。

ちなみに、香港最大の移民ブームは1992年で、実に1年間で6万6200人が海外へ移民した。

香港を代表するビジネス街の1つ、灣仔(ワンチャイ)地区の町並み(資料)—本紙撮影

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