マカオ、10日内15例の新型コロナ感染確認すべて中国以外から帰国者…厳格な水際対策奏功し市中感染ない状況

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは3月23日(現地時間、以下同)、単日で新たに3人(第23、24、25例)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染者を確認したと発表。

 マカオにおける新型コロナの感染確認は3月15日まで40日連続でゼロだったが、以降は約10日内で15人に上り、累計25人となった。初期の患者10人は武漢からの旅客7人とマカオ居民(「マカオIDカード」保有者)3人で、3月6日までに全員が治癒し退院済みで、重症化、死亡、院内感染例はいずれもなかった。直近約10日内の患者15人については、すべて中国以外の外国からの輸入症例。

 直近約10日内の新規感染者の内訳は第11例=ポルトガル帰りの韓国人女性(26、就労ビザ)、第12例=スペインからビジネス目的で来訪のスペイン人男性(47、旅客)、第13例=留学先の英国帰りのマカオ居民女性(20)、第14例=インドネシア帰りのインドネシア人女性(42、就労ビザ)、第15例=フィリピン帰りのフィリピン人男性(31、就労ビザ)、第16例=留学先の英国帰りのマカオ居民女性(19)、第17例=インドネシア帰りのインドネシア人男性(11、第14例の子)、第18例=米国帰りのマカオ居民女性(50)、第19例=留学先の米国帰り(直前にメキシコ訪問歴有)のマカオ居民男性(19、第18例の子)、第20例=留学先の英国帰りのポルトガル籍マカオ居民男性(20)、第21例=留学先の英国帰りのマカオ居民女性(19)、第22例=アイルランド帰りのマカオ居民男性(44)、第23例=留学先の英国帰りのマカオ居民男性(12)、第24例=留学先の英国帰りのマカオ居民男性(21)、第25例=インドネシア帰りのインドネシア人男性(41、就労ビザ、第14例の夫)。目下、15人は指定医療機関となる仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)の陰圧病室で入院治療を受けており、2人に軽微な発熱があるものの、いずれも軽症とのこと。

 世界的に流行が拡大する中、政府が輸入例に対する警戒を強めており、17日午前0時から過去14日以内に外国(中国本土・香港・台湾を除く)に滞在したすべての入境者に対して隔離下における14日間の医学観察を必須とし、18日午前からは非居民(マカオ居民IDカード保有者、中国本土・香港・台湾の居民、「ブルーカード」と呼ばれるマカオで就労許可(就労ビザ)を得た者に発給される身分証を保有者以外)の入境が禁止に。さらに、19日午前0時からは前日の措置で入境禁止の対象外だった「ブルーカード」保有者が禁止対象へ変更された。きょう(24日)午前10時から新たな入境制限に関する行政長官発表が予定されている。近日、水際対策は矢継ぎ早に変更(強化)されており、最新情報の把握が重要となる。

3月23日夕方に開催されたマカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

 なお、輸入症例が相次ぐ中だが、水際対策の強化によってマカオ到着時のイミグレーション施設における検温や隔離検疫中の検査をきっかけに医療機関へ搬送されるケースがほとんどで、これまでのところ市中での感染者は出ていない。

 政府新型コロナウイルス感染症対策センターは23日午後5時から開催した定例記者会見の中で、英国からの帰国者新規感染確認が多いことについて、留学先として人気が高い国で、母数が多いためとした。これまでに流行国にある外国の留学先からマカオへ戻った学生の数は866人で、このうち感染確認者は8人、感染率は0.9%だったとのこと。すでに半数以上が帰国しており、ピークを過ぎたという。また、指定医療機関における隔離病室のベッド数は232(うち12は集中治療部内)あり、人工呼吸器や人工肺の準備も整っているとした。

 このほか、海外からの帰国者が増える中、14日間の隔離検疫用に政府が借り上げたホテルが次々と満室になっているとし、新たに8軒目のホテルを指定し、およそ2200室体制となったとのこと。23日の記者会見時点で指定ホテルにおいて隔離検疫を受けている人の数は1601人とのこと。

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