マカオ、20年9〜11月期の失業率2.9%…前年同時期から1.2pt上昇=コロナ禍で海外労働者数減

 マカオ政府統計調査局は12月30日、今年(2020年)9〜11月期の雇用統計を公表。総体失業率は前回調査(8〜10月期)から横ばいの2.9%、マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)に限った失業率は0.1ポイント(pt)下落の4.0%だった。不完全雇用率は0.2ポイント(pt)上昇の5.4%。

 今年9〜11月期の労働人口は39.78万人、労働参加率は70.0%。就業人口は前回調査から900人減の38.62万人。マカオ居民に限った就業人数は1000人増の27.83万人。業界別では、飲食業と建設業の就業人数が減少、小売業では増加となった。

 失業人口は前回調査時から100人減の1.16万人。求職中の失業者のうち直前までカジノ・カジノ仲介業、建設業に従事していた人の数が多かった。このほか、初めて職探しをする新増労働力の占める割合は3.4pt下落の14.6%。

 不完全就業者数は600人増の2.14万人。業界別ではカジノ・カジノ仲介業と運輸・倉庫業従事者の占める割合が大きかった。

 前年同時期との比較では、不完全雇用率が4.9pt、失業率が1.2pt、労働参加率が0.1ptのそれぞれ上昇。

 就業調査の統計対象はマカオ半島、タイパ・コロアン島にある住宅の居住者(学生寮や高齢者入所施設等のグループホームを除く)で、域外からマカオへ越境通勤するマカオ居民及び海外労働者は含まれない。出入境資料を元に越境通勤者数は約8.25万人と推計され、これを含むマカオの総労働力は前回調査から700人減の48.30万人。

 マカオでは今年1月下旬から新型コロナウイルス感染症防疫対策の一環として入境制限が講じられたことを受け、インバウンド旅客数が激減。インバウンド依存度の高い国際観光都市マカオの経済は大きなダメージを受けており、影響の長期化が懸念されている。

 マカオで雇用の調整弁となっているのは海外労働者だ。マカオ政府労工局が12月30日に公表した資料によれば、マカオ居民の雇用の継続と優先就業を確保するため海外労働者数の調整を行っているとし、今年11月末のマカオにおける海外労働者数は前年末から1万5576人減の18万0962人だったとのこと。

マカオ歴史市街地区にあるモンテの砦から望む町並み(資料)=2020年4月本紙撮影

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