マカオ、7月のカジノ売上は対前月3割近く増…年内2番目の約1153億円に=広東省の新型コロナ再流行終息で

 マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は8月1日、今年(2021年)7月のマカオの月次カジノ売上(Gross Gaming Revenue=GGR)について、前年同月から528.1%増、前月からも29.2%増となる84.44億マカオパタカ(日本円換算:約1153億円)だったとする最新統計を公表。

 前年同月比では6ヶ月連続でプラスを維持、前月比では2ヶ月ぶりに上昇となり、金額は5月に次いで年内2番目だった。

 マカオでは、昨年1月下旬から現在に至るまで入境制限を含む厳格な水際措置が講じられており、平年と比較してインバウンド旅客数が大幅に落ち込んでいる。ただし、昨年第3四半期以降は中国本土との往来制限の緩和が進み、カジノ売上の回復につながった。しかしながら、今年5月下旬にマカオと隣接する中国広東省で新型コロナの再流行が出現したことを受け、両地の往来に関する入境制限を含む各種水際措置が強化されたことによるインバウンド旅客減が6月の売上に影響。ただし、再流行は6月下旬までに終息し、7月初旬にかけて水際措置は従来水準まで緩和された。

 7月の1営業日あたりの平均売上は2.72億マカオパタカ(約37.2億円)。ここまでの推移は、昨年2月(2月5〜19日の休業期間を除く14日間)2.22億マカオパタカ(約30.3億円)、3月1.70億マカオパタカ(約23.2億円)、4月0.25億マカオパタカ(約3.4億円)、5月0.56億マカオパタカ(約7.6億円)、6月0.23億マカオパタカ(約3.1億円)、7月0.43億マカオパタカ(約5.9億円)、8月0.43億マカオパタカ(約5.9億円)、9月0.74億マカオパタカ(約10.1億円)、10月2.35億マカオパタカ(約32.1億円)、11月2.25億マカオパタカ(約30.7億円)、12月2.52億マカオパタカ(約34.4億円)、今年1月2.59億マカオパタカ(約35.4億円)、2月2.61億マカオパタカ(約35.7億円)、3月2.68億マカオパタカ(約36.6億円)、4月2.80億マカオパタカ(約38.2億円)、5月3.37億マカオパタカ(約46.0億円)、6月2.18億マカオパタカ(約29.8億円)。昨年第2四半期が底で、以降は今年5月にかけて回復が進む様子が見てとれる。

 今年1〜7月累計のカジノ売上は前年同時期から63.9%増の574.67億マカオパタカ(約7850億円)。変動率は前月時点から18.5ポイント上昇。

 DICJは新型コロナ防疫体制下におけるカジノ営業にあたって運営会社に対して従業員及びゲストの健康を最大限保護することなどを求めており、ゲーミング(カジノ)テーブル間の距離の確保、テーブルゲームでは隣席を空ける対応(例えばバカラテーブルでは1テーブルに同時に着席できるのは3〜4人)、スロットマシンについても1台または2台おきの稼動と定められ、交差感染リスク軽減が図られている。チップ等のゲーミング用品に対する消毒も強化実施されている。再開したといっても、あくまで限定的ものだ。

 また、ゲストは入場時にマスクの着用、検温、有効な健康コード(衛生当局の専用サイト上で直近の滞在歴、新型コロナ患者との接触歴の有無、発熱や咳といった症状の有無、連絡先を入力して生成されるQRコード)の提示が義務付けられている。3月3日から新型コロナウイルス核酸検査陰性証明書の提示を必須とする措置は撤廃された。

 なお、昨年通期のカジノ売上は前年から79.3%減の604.41億マカオパタカ(約8256億円)で、2年連続前年割れ。マカオ政府の2021年度財政予算におけるカジノ売上見込みは1300億マカオパタカ(約1兆7758億円)。7月終了時点での達成率は44.2%にとどまっている。

 広東省における再流行は終息したものの、7月下旬には江蘇省の南京空港で発生したクラスターに端を発した新たな再流行が中国各地に波及しており、マカオでも水際措置の引き締めが進んでおり、8月のカジノ売上については流動的な状況。一方、香港では流行第4波が5月末までに終息し、その後の状況も落ち着いている。マカオ・香港両政府は隔離検疫なしでの往来再開に向けた協議をスタートしているが、これまでのところ続報はない。これが実現すれば、カジノ売上の底上げにつながる可能性がある。

【資料1】2021年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:80.24億マカオパタカ=約1096億円(63.7%減)
・2月:73.12億マカオパタカ=約999億円(135.6%増)
・3月:83.06億マカオパタカ=約1135億円(58.0%増)
・4月:84.01億マカオパタカ=約1148億円(1014.4%増)
・5月:104.45億マカオパタカ=約1427億円(492.2%増)
・6月:65.35億マカオパタカ=約893億円(812.5%増)
・7月:84.44億マカオパタカ=約1153億円(528.1%増)
>1〜7月累計:574.67億パタカ=約7850億円(63.9%増)

【資料2】2013年〜2019年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億マカオパタカ=約4兆9278億円(18.6%増)
・2014年:3515.21億マカオパタカ=約4兆8017億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億マカオパタカ=約3兆1532億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億マカオパタカ=約3兆0490億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億マカオパタカ=約3兆6300億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億マカオパタカ=約4兆1368億円(14.0%増)
・2019年:2924.55億マカオパタカ=約3兆949億円(3.4%減)
・2020年:604.41億マカオパタカ=約8256億円(79.3%減)

ゲスト及び従業員のマスク着用やカジノ用品の消毒強化といった防疫対策を講じた上で営業を続けているマカオのカジノ施設(資料)=2020年3月(写真:GCS)

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