2021年マカオのカジノ運営会社の赤字合計は約3千億円に…対前年大幅縮小、6社中1社が黒字転換

 新型コロナウイルス感染症防疫対策の一環として、マカオでは2020年1月下旬から厳格な水際措置が維持される中、インバウンド旅客に対する依存度の高いカジノ業界の業績にも大きな影響が及んでいる。

 マカオの昨年(2021年)通期のカジノ売上(Gross Gaming Revenue=GGR)は、中国本土との間に限って水際措置が一部緩和されたことを受けて、前年比43.7%増の868.63億パタカ(日本円換算:約1兆3675億円)となったが、コロナ前にあたる2019年の3割弱にとどまり、依然として本格的な回復には至っていない。

 目下、マカオにはおよそ40軒のカジノ施設があり、政府とコンセッション(経営権契約)を結ぶ6つの民間事業者によって運営されている。カジノ売上と比例して、各社の業績も低迷が続いている状況だ。

 4月27日付のマカオ政府公報に5陣営=SJM社、ギャラクシーカジノ社(ギャラクシーエンターテインメントグループ)、ヴェネチアンマカオ社(サンズチャイナ)、ウィンリゾーツマカオ社、メルコリゾーツマカオ社の2021年の業績が掲載され、MGMグランドパラダイス社(MGMチャイナホールディングス)は4月20日に業績を発表。これらの資料によれば、2020年は6事業者いずれも赤字だったが、2021年は1社(ギャラクシー社)が16億パタカ(約xx億円)の黒字に転換し、残る5社は前年に続いて赤字となった。

 5社の赤字額は約17.1億〜80.4億パタカ(約269億〜1266億円)の範囲で、5社の赤字合計は約191億パタカ(約3007億円)に上った。ただし、前年からは42%の大幅縮小となり、5社いずれも赤字幅が縮小した。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2020年7月本紙撮影

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