マカオ国際空港と港珠澳大橋人工島結ぶ連絡ルート検討 利便性向上で生き残り目指す

香港と広東省珠海市、マカオの三地をつなぐ港珠澳大橋の建設工事が2016年の開通を目指して進められている。大橋の香港側の起点がアジアを代表する国際ハブ空港の1つに数えられる香港国際空港となることから、橋の開通後、ストロー現象により規模で劣るマカオ国際空港の地位低下が懸念されている。

マカオ政府民航局空港計画・航行部の林衍新総監によると、港珠澳大橋のマカオ側出入境施設が設置される人工島とマカオ国際空港を結ぶ連絡ルートの開設を検討しているという。11月21日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。

香港、珠海のそれぞれから港珠澳大橋経由でマカオを訪れる際、マカオ半島東岸沖合に造成される人工島で出入境手続きを行うという。マカオ民航局の構想は、人工島の入境前エリアにフェリーターミナルを設け、マカオ国際空港に隣接するタイパフェリーターミナルとの間を高速船で結ぶというもの。タイパフェリーターミナルは現在新ターミナルビルの建設工事が大詰めを迎えており、完成後、マカオ国際空港と館内通路で直結させ、制限エリア同士を相互移動可能とする予定だ。同局では、マカオ入境手続きやマカオ市街地の移動にかかる手間や時間を軽減することで、利用者の利便性を向上させることができるとし、1億人以上の人口を抱える広東省からの旅客獲得を目指したいとしている。

発着枠が限界に近い香港国際空港と比較して、マカオ国際空港には余裕があるといわれる。目下、マカオ国際空港では格安航空会社(LCC)の誘致などを積極的に行っており、港珠澳大橋の開通後も独自のポジションを確保し、生き残りを図りたい考え。

マカオ国際空港(資料)=マカオ・タイパ島―本紙撮影

マカオ国際空港(資料)=マカオ・タイパ島―本紙撮影

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