自動車諸税引き上げ検討―台数抑制狙い

現在マカオの路上を走る自動車数は20万台以上あり、さらに毎月1千台もの新車が加わっているという。道路面積が車輌増に追い付いていない状況となっているため、朝夕のラッシュ時などを中心に渋滞が頻発し、通勤・通学にかかる移動時間の増、環境汚染といった悪影響が出ている。マカオ政府交通事務局は、自動車の台数抑制狙った自動車諸税引き上げの検討を開始した。

マカオにおける自動車購入と使用に関する税金、駐車料金は他と比較して安価という。また、公共交通機関が未発達であることから、市民が利便性を求めて自動車での通勤や送迎を選択する状況。マカオ政府交通事務局は今年、学術機構に対し中国本土、シンガポール、日本、台湾、香港の現行税制を参考にした研究を委託。研究で車輌抑制を行い渋滞が解消した場合の経済効果などを探る。

駐車料金についても、公共駐車場で1時間あたり2~3パタカ、道路脇のパーキングスペースは30分1パタカ、または1時間1パタカと安価な設定。一部駐車場では入口付近の行列が渋滞の原因となっていたり、パーキングスペースが歩道を圧迫しているという指摘もある。公共駐車場は現行の一律料金設定からエリア別、時間別の変動制導入を、道路わきのパーキングスペースに関しても設置場所の見直しによる歩道の拡大などが検討される。

マカオで自動車を購入する場合の主な税金の参考例は下記の通り。一般的に自動車販売店の店頭では車輌税、ナンバープレート登録費用、初年度の車輌使用税を込みとした価格表示が行われている。なお、マカオでの車検は一般自家用車で新車から10年目。車検に関しても香港同様の6年程度に短縮する議論がある。

【新車購入時の車輌税】
 ・トヨタ「カローラ」1.5 GLi(A/T)
  課税対象本体価格:126,000パタカ
  車輌税金額:40,400パタカ
 ・トヨタ「プリウス」1.8 HYBRID(A/T)
  課税対象本体価格:205,000パタカ
  車輌税金額:36,625パタカ(環境優遇税制により73,250パタカから50%減税)
【ナンバープレート登録費用(初回車検込み)】
 ・一般自家用車:4,800パタカ
【車輌使用税(毎年)】
 ・排気量1,500CC以下:850パタカ
 ・同1,501~2,000CC:1,570パタカ
 ・同2,001~2,500CC:2,100パタカ
 ・同2,501~3,000CC:3,000パタカ
 ・同3,000以上:4,500パタカ

道路が細いマカオは渋滞が発生しやすい(写真はイメージ)―本紙撮影

道路が細いマカオは渋滞が発生しやすい(写真はイメージ)―本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月18日、今年第1四半期(2024年1〜3月)のマカオのツーリズ…
  3.  マカオ政府経済・科技発展局は4月17日、昨年第4四半期(2023年10〜12月期)の工業輸出状況…
  4.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカップマカオ…
  5.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は4月18日、今年(2024…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun