マカオ、カジノディーラーが客に扮した仲間と組み不正行為…配当を盛る手口で35回、運営会社に約450万円の損失与える

 マカオ司法警察局は7月2日、不正行為によりカジノ運営企業に損失を与えたとして、コタイ地区にあるIR(統合型リゾート)併設のカジノに勤務するマカオ人のカジノディーラー職の男(41)を業務上横領罪で逮捕、検察院送致したと発表。

 警察発表によれば、6月30日にカジノ運営会社側からディーラー職スタッフと客に扮した仲間による不正行為に関する通報が寄せられたとのこと。カジノ運営企業の内部調査で、6月9日と15日にかけて、35回にわたって配当を盛る手口があり、32万4000香港ドル(日本円換算:約452万円)の損失が生じたという。通報を受けた後、警察が監視カメラ映像を分析したところ、テーブルに別の客がいないタイミングで、通報通りの不正が行われていたことを確認。すぐにカジノフロアで勤務中のディーラーの男の身柄を拘束したとのこと。

 ディーラーの男は入社2年目で、警察の調べに対して協力拒否の姿勢を示した上、犯行を否認しているという。ただし、この男の犯行であることを裏付ける数々の証拠が揃っていることから、逮捕に至ったと説明。また、不正な配当を受けた仲間とみられる男が少なくとも2人いるとし、行方を追っているとした。

 マカオのカジノ施設でテーブルゲームに参加する際、現金ではなくチップを使用する。チップは少し分厚いコインのような形をしており、額面によって色やデザインが異なるが、いずれも小さく軽い。今回の事件では、本来1000香港ドル(約1.4万円)のチップであるべきところ、1万香港ドル(約14万円)のチップを配当していた。

 チップはカジノフロアにあるキャッシャーと呼ばれるカウンターで額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオのカジノでは、しばしばチップを狙った犯罪が発生している。

カジノフロアの監視システムのイメージ(資料)=マカオ理工学院ゲーミングティーチング&リサーチセンターの模擬カジノ施設にて-本紙撮影

カジノフロアの監視システムのイメージ(資料)=マカオ理工学院ゲーミングティーチング&リサーチセンターの模擬カジノ施設にて-本紙撮影

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